近くに予備校がなかったのだろうか、高校に浪人生のための補習科が設けられていた。
3年時それの夏期講習に参加した。
そこでの模擬試験で666点とり6位になった。
何人受けての6位か、何点満点の666点なのか、憶えていない。
自慢するためにこの数字を挙げたのではない。
上位は常にキープしていたが優等賞とか学業賞は卒業時に一つももらわなかった。
唯一もらった賞が中高6年間皆勤賞だった。
寝食をきちっととって熱があっても7年間休まず登校した。
はっきりとは見えないゴールに向かってまっしぐら進む真面目人間に、大きく方向転換を迫るきっかけになる数字がこのとき初めてお目見えしたのだ。
ひとは7をラッキー7とよんで歓迎する。
6はどうか?
聖書は6を獣の数字とし666を凶兆としている。
わたしは呪術を信じない。
しかし人生にストーリの味付けをする数字の妙には無関心でいられない。
そのときは何も感じなかったが、6はその後たびたび現れてわたしの考えかた、生き方の指標になる。