自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

サッカーの新しいトレンド/高校選手権とワールドカップ

2023-01-10 | サッカー育成

わたしは2016年度に監督を引退して時間に余裕ができたがTVで放映されるサッカーの試合を見る気が起こらなかった。ボールをとっても安全パスを後方に送ってパス回しにこだわるからである。縦への推進力でのみ評価されてきた自分には何ともまどろっこしい退屈なゲーム運びだった。どのチームも同じようにやるから後半にユニフォームを交換して戦っていても気づかないだろうと思っていた。
こと(トレンド)の起こりは2010年にスペインが絶妙なパス回しでW杯を制した新コンセプトにあった。それはポゼッションサッカーと称されて世界を風靡した。サッカーがチームゲームであり総力戦であるからそれなりの必然性があった。
W杯で決勝点を決めたイニエスタに代表されるように、複数の敵に囲まれてもなおボールを失わず攻撃的なパスができるチームだからこそ有効なコンセプトだったが、世界中で上も下も猫も杓子もパス回しにこだわった。
「従来サッカーでは90分持久力がもたない」[省エネ論]
「ボールをキープしている間は失点しない」[後ろ向き消極論]
「キーパからパスで組み立てよ」[安全パス論]
「やたらにボールをクリアするな」[確率の低いキック否定論]
・・・・・・。
これはJリーグの指導人のことばの一部である。だからといって私はポゼッション指導を否定はしない。それなくして日本代表が技術的戦術的に世界水準に達することはなかったであろう。

今年の全国高校選手権を選手層で地域レベルの(県内の2番手、3番手の選手で構成した)チームが制覇した。私が一目を置いている潮 智史朝日新聞記者が代弁してくれた(1月10日朝刊)。これ以上のまとめはわたしにはできない。
[優勝した岡山学芸館の]
「縦に速いボールポゼッション」。10年ほど前から掲げるコンセプトはゴールという目的を忘れてパスを回すサッカーへのアンチテーゼでもある。[同感]
隔年で足を運ぶスペイン遠征でバルセロナの試合を観戦して、高原監督は思いついたという。「もっとスピーディーにゴールに向かったほうがおもしろいと感じたので」。そのサッカーは、昨年のワールドカップ(W杯)で勝った強豪にも通じている。[同感]

新しいサッカートレンド! わが意を得たり、である。カタールW杯2022は決勝まで徹夜して観戦した。日本代表は上へ上へと螺旋階段を駆け上がった。真上から見たら世界のトップと同位に見える。横から見るとまだ一周遅れである。生きているうちに世界的スーパースターの誕生と活躍を観たい。