風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

白い帆は 風を丸ごと 捕まえた その勢いで 滑れ ヨットよ【短歌】

2024年07月23日 | 短歌

海のそばを自転車で走っていると
白い帆を張るヨットを見かけます

海原を滑るようにで
気持ち良さそうだなと思うのですが

実際に、自分で操作したら
きっと大変なのでしょうね
僕ではもしかすると
体力的に追いつかない位に

風の流れを捉えようと
普段から感じ取っていると
その見えないものにも
敏感になるのでしょうね

僕が感じれない
風の吹いてる方向を予想できたりもして

そんなことを勝手に想像しながら
ヨットの滑る様を見ている自分です


歩道橋、街路樹、一路、夏空に梢、感受す、摘まむ手仕事【短歌】

2024年07月16日 | 短歌

歩道橋に上ると、一直線の道路に添うように続いている
銀杏の街路樹が、青々と茂って綺麗でした

夏空にその先端を差し出して
空に届こうとして、空からの音信を
受け取ろうとしているかのようです

きっと大きな街路樹もまだ成長をしていて
夏の空に潜む見えない手が
その幹の先端を引っ張り上げようとしている
そんなイメージが自分の中に広がりました


知られても困る宛名に書く短歌気づいて欲しい馬鹿な恋文【短歌】

2024年07月09日 | 短歌

時々、昔、心を寄せた人を
思い出す時があります

もう音信も途絶えて
それ以降の気持ちも伝えられなくなった人
思い返せば感謝の気持ちしかありません

今ではその気持ちを伝えれば
きっと迷惑でしかないその宛名に
時々は思いを伝えたくて書き連ねる言葉

気づいてもらっても今さらという感じなのですが
どこか気づいて欲しいという気持ちもあって

人は誰かに伝えたい事だらけで
言葉を書き連ねるのでしょうね


波寄せて引くに飽きない子供らを大人は、微笑み、沖を見るだけ【短歌】

2024年07月02日 | 短歌

小さな女の子が二人
波打ち際に遊んでいました

一人は見た目、1歳位
もう一人は3歳位でしょうか

いずれにしろずっと飽きずに遊んでいて
時々、歓声を上げます
何が「やったー」なのか分からないのですが
何度も「やったー」を繰り返していました

あんな夢中になれる遊びを
いつから僕は忘れてしまったのかなと
ちょっと寂しく思いました

いつからか目の前のことよりも
未来に何か、いいことが起こらないかと
遠くばかりを見ているような気がします

目の前の一つ一つに
懸命に向き合わなければいけないのだと
自分を戒めていました


戻る波 押し寄せる波 もつれあう 引くに引けずに 定まらぬ心【短歌】

2024年06月25日 | 短歌

波打ち際に佇んで見ていると
戻る波と
新たに押し寄せてくる波がもつれあい
行ったり来たりを繰り返します
まるで定まらない自分の心を見るようです

思い立って一瞬は気持ちが昂るのですが
それを否定する思いも湧いてきて
結局、迷いのままに
何も行動に移せない繰り返し

自分の性分なのでしょうが
我ながら情けなくなる時もあります


人の目に右往左往だ閉じ込めて街の気分だ心苦しさ【短歌】

2024年06月18日 | 短歌

街で暮らしていると
沢山の視線に
体を切り裂かれるようです

きっと僕が
そうしたことを気にし過ぎるからなのでしょうが
その視点に晒されるごとに
おろおろとしていしまい
右往左往とする自分です

そんな気分は
もしかすると多少なりとも
皆感じているものかも知れませんね

心苦しさが街の雰囲気のようになって
心に毎日のしかかっています


客は泣く一人残らず雨叩く車窓、電車はレールの嗚咽【短歌】

2024年06月11日 | 短歌

その日は少し冷たい雨が降っていました

僕は駅で電車を待っていたのですが
通過する電車も雨に濡れて
手すりにつかまり立っている人たちの姿も
濡れた車窓の向こうに歪んで見えていました

笑って会話をしている人、俯いている人
スマホに熱中する人と
それぞれだったのですが

心の奥底には本当は
泣きたい気持ちを抱えていて
濡れた車窓の上にそれが
現れているようで

勝手な納得感を持って
通り過ぎる電車を眺めていました

速度を少し落とすために
ブレーキをかけた電車と
レールとが軋む音も
悲鳴のように聞こえていました


太陽に、咲く花、真似る、今はまだ一輪、でも、二、三、四と咲く【短歌】

2024年06月04日 | 短歌

一年で随分と大きくなった
我が家のムシトリスミレ

子供たちが喜ぶかなと思い買ってきたのですが
子供たちはさして興味は示さず
僕だけが可愛がっています

それがこの春には花を咲かせました
花茎が伸びて来て
本当に菫に似た形の
可愛らしい花を咲かせるので
思わず写真を撮ってしまいました

それが1つで終わるのかと思いきや
4輪も花を咲かせました

自分もまだまだ
咲かせられるものがあるのではと
思いをため込もうと思います


ハッカ飴、がりり、清涼、初夏の空、緑の風と、口笛、競演 【短歌】

2024年05月28日 | 短歌

口にはここのところ
お気に入りとなっているハッカ飴を齧り
近場に散歩に出かけました

風が心地よく
口の中に広がるハッカを肌の上にも感じるようです

僕はもっとその清涼感が欲しくなり
がりっとまだ大きな飴をかみ砕き
今はその爽やかさでは負けないつもりの
自分の息で口笛の音色を奏でました
木々の緑に染まった初夏の風と競い合うように

そうして空の下を川の流れに沿って
歩いていました