「傍らに」
僕がいることで
あなたを苦しめることがある
近づいていたいだけなのに
僕はあなたではなくて
あなたは僕ではない
遠いままの距離のもどかしさ
僕の心が
あなたを苦しめるとしたら
何をしたいのか分からなくなる
遠くへ離れようか
混乱する僕を
あなたは抱きしめる
その動き続ける胸の鼓動を聞く
埋まらない距離はそのままに
あなたの指先が
僕の髪に触れる
僕は自信がないんだ
許される自信
まっとうな自分
砂山のように足元から
失われる自分への信頼
けれどあなたは
何度でも許す
しおれる心に水を注ぐ
どうしてそんな親切に
してくれるの
我慢強いの
一度、離れた手でもまた
しっかりと繋ぎ合わせられる
離して冷えた分だけ
温もりを一層、感じられると
いつでもあなたに
許される自分
甘えてはいけないけれど
安心をする
あなたから
分けてもらう豊かさ
空っぽの容器の僕を
こんなにも満たして
力づけてくれる燃料
それを真似てみたくて
僕も少しだけ
人に優しくなれたかしら
許すことを覚えたかしら
あなたの傍らに
いつでも在りたい
見様見真似で
あなたの心を真似る
そうして願わくは
僕もあなたに何かを
与えられる者に
いつの日にかなりたい
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