新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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ATMでのお噺

2019-10-31 18:02:59 | 閑居閑語
昼過ぎに駅前のM銀行の支店のATMによりました。コーナーに入ってからびっくり、本日は晦日でした。私で6番目くらいです。8台くらい端末がありました。その左から2番目の端末にお年寄りのご婦人が身をかがめて懸命に操作をしています。
なかなか順番が来ませんから、見るとはなしにご婦人を見ていました。左手にメモを持って操作していますが何度もやり直しています。私の番が来ました、ご婦人の右となりが開いたのです。ちらと見るとメモには手書きのような文字が書かれています。それを見ながらの操作です。
私の入金は終わり端末を離れるとまだ彼女は懸命に操作しています。

ATMコーナーの入り口にガードの係員が立ってました。近付いて彼に、『左から2番目の端末の女性はずっと操作に困っているようですよ』と告げました。ガードはちらと見て女性はいませんよと言います。えと、振り返ってみるとそこには女性はいません。そんな馬鹿なとコーナーを見回すと、反対の壁際に女性がたって、バックに何かをしまっています。
『大丈夫でしたか?』と訪ねると、彼女は『宛先が個人でなくて会社なので、カタカナの入力が難しくて何度やっても上手くいきませんでした。やっと終わったとこです』と言うではありませんか。私とガードマンはそれは良かったですねと言いますと、彼女が『振り込めを心配されたのですか?』と笑いながら言いました。こちらも『ええ、まあ』と二人返事をしたのです。
彼女の会話はしっかりしており、またやりとりもスムーズですから大丈夫だろうとそこを離れたのです。彼女もお礼を言ってくれました。

さてまだ続きがあります。この銀行から10メートルくらいのところに駅前交番があります。こんな事があったと報告しておこうかと思ったのですが、些細なことなのでやめました。
更に。広場の前のもう一つ別のM銀行のATMがあります。来月の生活費を下ろしに行きました。こちらはすいており、すぐに用事は済みました。振り返るとATMのコーナーの角に若い警察官がたっているではありませんか。多分前述の交番勤務のおまわりさんでしょう。ふと思い立って、先ほどの出来事を話しました。色々こまかく話しました。ご婦人はしっかりと『孫などの個人名ならやりやすいのですが、会社名は難しい』と言ってました。そのときは普通に自信を持ってしっかりとそう話されたのですが、もし仮にです、ひょっとしてその会社に何も疑問を感じていない事情があれば、やっと操作できたと言うことで安心して私たちに報告していたことになります。その会社を信用した理由は分かりませんが。
もちろん私たち市民が、ご婦人のメモに宛先を疑うことは出来ず見せてくれともいえません。『おまわりさんならそれが出来たかも』と言うことになりました。

警察官は、『最近この付近でも振り込み詐欺がとても多くなってます。いつ頃のことですか、今のお話は?』と尋ねてきました。『いやいや、ちょっと前です。向こうの銀行からここまで歩いてきたのですから、せいぜい5分くらい前の出来事ですよ』と言うことになりました。ですからまだ、振り込め詐欺が発生したのかどうなのか、それ以前の問題です。
この辺でおまわりさんとの会話も終わりです。『私たちも色々注意していなければならないですね』と。
コメント
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