最近、時間に余裕が出始めたので、久し振りにあるオーディオ・ショップに出かけた。
漫然と言うか、これと言った目的があったワケではありませんが、ひょっとしてVMS20EⅡの交換針でもと。もちろん、純正品などあるはずが無く、代替モデルでOK。
何年か前、その店で代替モデルの在庫品を二本も見つけ、購入し、去年、その二本目を装着したので、もう一本、ストックとして手元に置いておきたかったので。で、今回も運良く、一本ありました。
このVMS20EⅡは、もう30年以上前に手に入れたもの。その当時、本当はオルトフォンでもMC型が欲しかったのだが、値段が高く、しかもヘッド・アンプ、または昇圧トランスも用意しなければならなく、妥協してVMS20EⅡに。だから不本意な気持ちがずっと根底にあったのも事実で、ま、この程度か、といった具合でハッキリ言って、その存在を気にもしなかった。
ところが、15年程?ほど前、その頃、話題になっていたシステムの電源強化を半信半疑でオンボロ・システムに取り入れた時の事。
その電源強化が想像以上に効果があり、いろいろ試していた。そんな時、ボディにサビが出ているVMS20EⅡをジャンク箱の片隅に見つけ、もう棄てようと思ったが、ついでに、ちょっと聴いてみようか、と考え、景品で付いていた?何でもないシェルとリード線を付けて針を降ろした。
OH!、ちゃんと音が出るではありませんか!暫くそのまま聴いていると、だんだん、中域の厚みが増し、妙に艶まで出始め、上も下も程良いバランスのとれた音に変化していった。
それまでは、シュアーのタイプⅢやⅤをメインにして聴いていましたが、それらに勝るとも劣らぬ音質に・・・・・・・・、イャー、参りました!
あの時は、一体、何だったのだろう?恐らく、システムがこのカートリッジの真価を発揮させるにはプア過ぎたのでしょう。
オリジナル針と代替モデル針では、やはり音質が違いませね。オリジナル針は中低域にボリューム感があり、代替モデル針は中高域の分解が上り、抜けの良い音になっている。
スタイラスをルーペで見ると、形状がやや異なり、その差がハッキリ出ていますね。
蘇ったこのVMS20EⅡは、それ以来、ずっとレギュラー・ポジションを確保している。
オーディオファン、オルトフォンファンからみれば、たかがMM(MI)型なんですが、僕にとって、されどVMS20EⅡなんです。
もう少しグレードの高いシェルとリード線に変えれば、更に・・・・・・・・・と思うのですが、敢えてそのままにしてあります。
良い音と好きな音とは、必ずしも一致しない、と思うのです。