'TRIO Vol.1’、満場一致のホーズの名盤。
初めて聴いたとき、ビバップ色がやや濃いTOPの'I Got Rhythm’に古めかしさを感じたが、聴くほどにホーズのピアニストとしての力量が格調高く詰め込まれている事に気が付いた。
長いブランクから立ち直り、欧州ツアー中(1968年)、ドイツでレコーディングされた'HAMP'S PIANO’(SABA・MPS)は人気の一枚で、その後、フランス・パリで録音された'SPANISH STEPS’(BLACK LION)は彼自身、ツアー中のベスト作と語るほどホーズの情念が迸っている。
今回UPした'HIGH IN THE SKY’
1970年、LAでマイナー・レーベル「VAULT」に吹き込まれた一作。
モード色が漂うピアノが響き出し、バカラックのヒット・チューン'Look Of Love’のメロディが・・・・・・・
ちょっと意地悪く粋なジャズ喫茶、バーのマスターなら暫くカヴァを飾らず、「これって誰かな?」と客が落ち着かずソワソワしている様子を楽しむかもしれない。2曲目'Evening Trane’が終わった辺りでやっとカヴァを。一斉に客の眼が注がれ、唖然と。
でも、それだけで終わらない。B面に移り、11分を越すタイトル・ナンバーに卒倒するかも(笑)。
HAWES、渾身の、そして畢生の名演。これを聴かずしてホーズは語れない。
ホーズのジャズ・ピアニストとしての力量に改めて感服する。
本作をHAWESのベスト作と言ったら笑われるかな?
1977年5月22日、脳出血でこの世を去っている。享年、わずか48、若すぎる!惜しい!
なお、TRIO、Vol.1のカヴァは再発もの(1970年頃)で、オリジナルとは色が違います。
世評以上に、ピアニストとしての力量、資質は一級、そしてエモーショナルなスイング感は超一級と自分は思っています。
本作で確信しました。
是非、お試しを・・・・・・