CBSコロンビア時代(1977~1981年)の後、古巣のMUSEに復帰した一作目(1983.12.1)。メジャー・レーベルとの違いが即座に判る何とも地味なカヴァ。
問題はプロデューサーが同じM・カスクーナ、どういう作りをするか、興味深い。カスクーナが出した答えは、マイナー・レーベルらしく?人件費削減(笑)ではないけれど、tp・ワンホーンもの、素材はスタンダード(6曲中4曲)と絞り込んでいる。なお、ショーは4曲、フリューゲルホーンを吹いている。
どうしてもCBSの豊富な資金力による多彩な作品(5作)と比較し勝ちですが、まるでNYの摩天楼から落ち着いた郊外へ移り変わりの趣がオーソドックスさと相俟って耳に心地よく響く。
曲目に目を遣るとA-2の”All The Way”がまず気になります。モーガンのプレイが良く知られていますが、本作でのショーの円熟した演奏はモーガンを遥かに上回っている。B・ウイリアムスの重厚なウォーキング・ベースも聴き物。また、B-2の”What’s New”のアップ・テンポで軽快に飛ばすショーのペットにCBSで研鑽した跡がハッキリ浮かび上がり、ホント、力を付けている。
元々、地味だけれどウォルトンのpがもう少しショーをアシストしていれば、本作の存在はもっと世に知られただろう。tp・ワンホーンの難しさはpが果たす役割が大きいです。
控え目だが侮れない作品。
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