ピアノのソロ・アルバムは苦手なんです。
ミュージシャンが描こうとしている世界に着いていけず、集中力が途切れる。たとえ、それが「天下の名盤」でも。
ただ、S・カウエルの‘MUSA’と本作の2枚は例外。
共通点はカウエル、プーレン、共にフリー・ジャズ畑出身で、レコーディング・デヴューはカウエルが‘WHY NOT / MARION BROWN’(1966年)、プーレンは‘GIUSEPPI LOGAN QUARTET / GIUSEPPI LOGAN ’(1964年)、どちらもESP。従来派とは根本的に組み立て方が違うような気がして、そこがいいかも。
プーレンは70年代初めにはミンガス・グループのpの座に就いていたにも拘らずフリー派のイメージが強かったせいか、名前の浸透に時間が掛かり、この初リーダー作は1975年2月24日、カナダのトロントにあるSACKVILLEというマイナー・レーベルで録音されている。しかも、ピアノ・ソロで。実力があるからでしょう。
味のある良い感じのセンター・ラベルですね。こちらをカヴァにした方が・・・・・・・・・・・
もともとタッチの強いタイプですが、このレコードの「音」は指先の毛細血管の隅々まで行き渡ったプーレンのスピリットを一滴たりとも漏らさず伝えている。すばらしい「音」です。エンジニアはPhil Sheridanという方です。
全4曲、プーレンのオリジナルで、A‐2の後半とB‐2でフリー顔が覗きますが、冷静にコントロールされているので耳障りになりません。
曲作りも上手いですね。代表作の‘Big Alice’(B‐1)なんか一度聴いたら、すぐ覚えられるメロディで、ゴスペル・フィーリングのノリが実に心地良いです。
時々、エサ箱でクズ値に近い値段を付けられていますが、店主が目の前でサッと取り上げTOPの‘Richard’s Tune’を流したら、あなたはもうその場を離れられないでしょう。
ホントです。どうしてもフリーの場面がダメでしたらピアノの「音」だけに集中しましょう。
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