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勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

意外にも評価が ・・・・・HERBIE HANCOCK BLUE NOTE二作

2023-08-02 | ジャズ・p

 

巷でのハンコックの人気アルバムは一位が”MAIDEN VOYAGE”、続いて”SPEAK LIKE A CHILD”と言われる。二作の間に3年の歳月が流れ、前作は新主流派を代表する名盤と高評価を受けていただけに、次作が注目されていた。

両作ともにそれぞれ一つのコンセプトに基づいたアルバム作りがされ、注意深く聴き込むとハンコックのプレイ自体にそれ程、距離は感じられない。ただ、出てきたサウンドはまるで違う。大まかに言えばそれが1965年と1968年の違いだが、コルトレーンの死(1967年)が絡んでいる点を見逃すわけにはいかない。ジャズ界は密かに剛から柔へ舵を切ったと言えるだろう。

”SPEAK LIKE A CHILD”はピアノ・トリオ +3本のホーン、しかもホーンは後方でアンサンブルに徹するといった斬新なシフトが当時、話題になり、更にその抒情性とカヴァから滲み出る安らぎと一体化され評論家、ファンの間で絶賛に近い高い支持を受けた。

ただ、自分はどうか(リアルタイム)、と言えば、正直、困惑した。自分が好きなハンコックは新主流派の中でも、ソウル、ファンキーぽさを失わず、時にはフリー系までハードに切り込むプレイなので、自分が求めるハンコックではなかったし、むしろハンコック自らレベルを下げているようにも感じた。

この時期、プロデューサーはライオンではなく、D・ピアソンが多くなり、当作も彼になっている。どちらかと言えば、柔らか系、甘め系のスタンスですね。また、その前年、A&MレコードでCTI(クリード・テイラー) シリーズ(代表作が”A DAY IN THE LIFE / W・モンゴメリー)がスタートし、ハンコックも何作か、そのシリーズに参加し、少なからず影響を受けたのではないか?

我が国では「大傑作」とも言われるが、DB誌では二つ星半だった事実は何故か伏せられ、表面化しなかった。恐らくDB誌の評者はハンコックの本当の能力を力点にして、こんなものではない、と評したのだろう。それに反し、我が国の・・・・・・・

続編の”THE PRISONER”は更に5本のホーンを加え、今度はソロを取らせ、自らエレピも弾き、進化?のほどを披露しているが、甘みもかなり添加されている。”SPEAK LIKE A CHILD”を絶賛した手前、提灯持ち評論家達は後に引けず、同様に褒めたが、さすがに確かな耳を持つファンは反動で「駄作」と切り捨てた。

その後、数年、暗中模索時代を経て1973年、”HEAD HUNTERS”で大ヒットを飛ばしたが、ここにも自分が大好きなハンコックの姿を見つけられなかった。



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2 コメント

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半刻 (ayasiiojisann)
2023-08-03 08:36:04
ハンコックってリーダ作品となると処女後悔、じゃなかった処女航海以外ぱっとしないような気がするんですが。サイドに回るとこれはッというようなパッキング、ソロを聴かせてくれる、とずっと思っていました。
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Unknown (avengerv6)
2023-08-03 14:11:25
内容的には前作の”EMPYREAN ISLES”の方が優れていると思いますが、ジャズ・マスコミは何とかの一つ覚えのように聴き易い”MAIDEN VOYAGE”を押しますね。本気で「処女後悔」と誤訳しているのでしょう(笑)。
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