駅の近くに高層駐車場がある。ただし、駅の乗降者用ではない。
近頃ではこの程度では高層とも言いにくくなったが、重層というのも変だからひとまず高層と言っておく。
こういうビルを車窓など遠方から眺めると、車両用のスロープの傾斜がはっきり見えて、ビルがゆがんだようであまり心地よくない。
ここの高層駐車場は、最近真っ赤に塗り替えられた。
近くを通ったとき、赤く塗る前よりも傾斜が目立たないような気がした。
赤い色は傾きを少なく見せる効果があるのだろうか。
左翼の象徴のようなあの色には、傾きをあまりはっきりさせない狙いもあるのではないかと、ありもしないことにまで考えが及ぶ。
錯覚から、目からの楽しみも、空想の楽しみも生まれる。
そんなこと何が楽しいのか、目の良すぎる人、頭の冴えすぎる人にはわからないだろう。