防護措置に暫定という条件がつくと、施工者は苦労する。
最初の瑕疵原因者が不明の場合は、黙って修復してしまうと事実の証明ができなくなるから、とりあえずそのままにしておく。
しばらくすると、中の土砂が流れ出たり崩れ落ちたりする。これはまずいと仮止めをする。
また崩れる、また仮止め。
繰り返しているうちに、見るも無残というか、苦心の跡も生々しくというか、哀れな姿になる。
暫定は、とかく後始末が長引き、すっきりと心の晴れる状態になれない。
個人のことなら楽しみ半分ということもあるが、公的なことに暫定はよくない。
はじめから、口癖どおりに「しっかりと」手を尽くすのがいちばん効率の良い方法なのだ。