忘れ物には、不気味なものとそうでないものがある。
その見分け方には眼力が問われ、始末の仕方には品格があらわれる。
危険のもとが入っていそうな、怪しい忘れ物風のものはそれなりに、本当の忘れ物、落し物は持ち主に早く帰れるように、それぞれ始末の仕方がある。
宴会でご機嫌で帰ったらカメラがなかった。
そんな話を聞いたことがある。
よく考えてみたら、帰りに駅まで送ってもらった車の中ではないかと、2日後に思いついた。
電話をしてみると、やはりそうだったので、取りに行ったという。
さて、このカメラ、最上の始末の仕方はどうだったのか。
「だれかカメラ忘れて行ったぜ」「忘れたのに気が付きゃぁそのうち何か言ってくるよぅ」
そんな会話ではなかったか、どうなのか。