何か事件がおきると、風評被害が問題にされる。
なかには、風評がそれほどでもないうちに被害が騒がれることもある。
風評被害は、だれもよいもの嬉しいものと思わないのに、潜伏期間ゼロあるいはマイナスの奇妙な拡散状況が示される。
そこでは拡散が先発隊で被害が本隊と、時間次元が狂ってしまっている。
「ウワサバナシハツタワリヤスイ」この14音の一句が、大小さまざまなあらゆる事件のたびに、風が吹けば桶や、風邪を引けば熱のように、人々のあたまをよぎる。
黙って知らん顔をしていれば風評にならず、被害も起きないのに、黙っていられない。
噂話と内緒話には、風などよりもっと伝播の速い特殊な媒体があるのだろうか。