言葉を縮める流行で、何を指すのかすぐにはわからない略称がどんどん増えてきます。
略称の意味がわからなければ、わからなさはべき乗で増していきます。
ガラケーとは、ガラパゴス・ケータイの略で、ガラパゴス・ケータイとは、ガラパゴス化した日本の携帯電話、ではガラパゴス化とはと、横丁のご隠居とハチクマさんの問答のようになっていきます。
ガラパゴス諸島という、南米の上あごのあたりから太平洋の赤道直下にプッと噴出されたようなエクアドルの離島があります。
そこには独自の生態系があって、鳥も獣も爬虫類も、そこにしかいない固有種が多いそうです。
技術やサービスが、日本市場で独自に進化し、世界標準から掛け離れてしまう現象を、ガラパゴス化と呼び、世界標準とは異なる進化をした日本の携帯電話が、誰が名づけたか、ガラケーと呼ばれています。
スマホ派は、ガラケーを時代遅れと見ますが、パタンとたためばかさばらず、しかも多機能、まだまだ愛用者は大勢います。
先日電車で前に座っていたお兄さんが、ガラケーを取り出してWebを見始めました。
指をほとんど動かさないのでメールでもゲームでもなかろうと、裏側から見当をつけましたが、そこで面白い発見をしました。
お兄さんの顔の中心線が、ガラケーの中心線といつも同じ傾きにあるのです。
お兄さんが首を左に傾けると、ガラケーも左に同じ角度で傾きます。
持っている指を動かして何か操作をすると、ガラケーの傾きが変わり、それに合わせてお兄さんの首も動きます。
どちらが先に動くのか、それは鶏卵問答に似ています。
見ていてふと、ガラケーを愛用する人々にも名前をつけたくなりました。
ガラパゴスピープル、ガラピー、時代遅れではなく、独自に進化する人です。
ビーバ ガラピー!