飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

ハンググライダーの進化の歴史 22

2012-10-26 21:24:17 | ハング(hangglider)

ここ10年ほど目立ったテクノロジーが出てこなかったハンググライダー。

しかし、最近ちょっと気になるグライダーが出現しました。

Revolution


オーストラリア エアボーン社の「REV」です。

エアボーンはもともとはトライクメーカーで、20年ほど前からハンググライダーも作るようになり、少し前までは日本でも結構このメーカーのグライダーは飛んでいました。

なかなか野心的なメーカーで、新機が発表されるごとに革新的な機構を導入していました。

そして、今回のREVにもある革新的な機構が導入されています。

それは「CCS」というシステムです。

これはどういうものかというと、フライト中にVGと連動し、翼の厚み「キャンバーライン」が変更できるという仕掛けです。

Rev_ccs


実はこの機構、初めてのものではなく、過去アメリカのメーカーで採用されたことがありましたが、その時はまだその機構の効果が表れず、「お蔵入り」となってしまっていました。

それではなぜ、この「CCS」は再び脚光を浴びるようになったか?

一つは今の競技で使われるルール、「GAPシステム」の計算の仕方にあります。

GAPではより早くゴールした者が有利に得点が得られる計算方法になっています。

つまり、機体の「巡航速度」が、たとえ1キロでも早いほど有利になってくるのです。

そのため、ここ近年のハンググライダーの巡航速度は大幅に早くなりました。

CCSはこの要求に対し、見事な効果をあげることができるのです。

まず、CCSはVGを引くことによりキャンバーが少なくなりますが、この結果、揚力係数CLが小さくなり滑空速度が上がります。

これだけでも効果があるのですが、CCSの優れたところは、これプラスダイブスティック、リミッターの設定値を今までの設定値よりも、より下げることが出来ることだと思います。

キャンバーが小さくなれば、実はピッチの安定が増します。

ということは、ダイブスティック、リミッターもより下げることが出来て、さらに滑空性能を上げることが出来るのです。

早くなった巡航速度は、そのままレイノルズ数(流れの状態を数値化したもの)的にも滑空比をあげるのに有利となります。

つまり、フライト中キャンバーが変えられるということは、今のGAPシステムのルールの中ではとても有利なことになるのです。

と言ってもこのCCS。魔法のシステムではありません。

空力的により性能を上げるには、翼の前の部分をつぶす方が効果がありますが、そうするとピッチの安定が損なわれるため、ダイブスティックやリミッターの設定値をあげなければならず、効果が半減してしまいます。

逆に後ろをつぶしても、空力的に効果が表れにくくなります。

REVは2年以上前からエアボーンで作られていましたが、その辺の細かな煮詰めがようやく結果となって表れてきたようにも思います。

事実、REVは各大会で優秀な成績を残しています。

そして次の世界選手権は、オーストラリアのフォーブス‥。

REVのCCSが新しいテクノロジーとしてハンググライダー界に浸透していくかどうかは、この大会の結果次第のようにも思われます。

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ハンググライダーの進化の歴史 21

2012-10-22 19:37:21 | ハング(hangglider)

進化し続けてきたハンググライダー。

今までこのブログでご紹介してきたようなテクノロジーを駆使し、現在は以下のグライダーたちが飛び回っています。

Zx


まずはイタリア、イカロ社のラミナールZX。

このブログでもご紹介したラミナールも10代目を迎え、ここまで完成された翼になりました。

セールには一切しわがなく、とても美しい仕上がりで、アルミ製削り出しパーツとカーボン材をふんだんに使い、芸術的ともいえる機体に進化しました。

Combat_gt


次はウクライナ、AEROSのCOMBAT GT。

ソ連崩壊後、航空機技術者たちが立ち上げたメーカーは、高い性能を維持し続け、このGTにまで進化。

VGと連動して、ピッチ安定を適切に保つため、パイロットのフックインポイントを移動させる新しい機構が採用されました。

高い滑空性能はもちろん、バランスの良い翼はサーマル内では高いクライムレートも持たされています。

Litespeedrx01


次はオーストラリア、モイス社のライトスピードRX。

ハンググライダー会の老舗モイスの最新鋭機。

高性能とともに扱いやすいハンドリングも持ち合わせた、トータルバランスの高い機体です。

T2c


最後にアメリカはウイルスウイング社のT2C。

翼端部分はカーボン材を多用し、慣性モーメントを抑えて扱いやすい翼に仕上げ、滑空性能も高く癖のない特性の優等生グライダーです。

現在主に競技会で使用されているのは、だいたいこのグライダーたちで、それぞれに非常に高い完成度を持っていると思います。

しかし、しかし実は‥。

前回ご紹介した「RCS」や「ラミナールST」。これら10年ほど前のグライダーと比較し、もちろん細かなところの改良は進んでいるのですが、画期的と言えるような新しいテクノロジーが採用されていないのです‥。

ハンググライダーが登場して約40年。これほど長い間新しく画期的な機構が登場しなかったことは、かつてありませんでした。

しかし、ここにきてひょっとしたら再びハンググライダー界を変えるかもしれない新しいテクノロジーが登場しました。

次回はその機体のご紹介です。

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やっぱり薪ストーブ!

2012-10-16 22:56:33 | 薪ストーブのセルフビルド(for woodstave builder)

秋も深まってまいりました。

今宵はこのシーズン一番の寒さとなりそうです‥。

で、我が家はとうとう薪ストーブに火を入れてしまいました!

008


やっぱりイイですね~

美しく燃える炎、そして、薪のはでる音‥。

さみしげに鳴く虫の音とともに、静かな夜が、今過ぎて行っています‥。

薪ストーブ独特の、力強く、体の芯から温めてくれる暖かさに包まれながら、とても心穏やかな時が過ごせます。

これからいよいよ薪ストーブシーズン!

薪ストーブに火を入れるのが楽しみで仕方ありません。

しばらく続けていました薪ストーブのセルフビルドのブログ。とりあえず一通り終えることが出来ました。

もしこのブログが、これから薪ストーブをなるべく安価に楽しむために、セルフビルドに挑戦しようという方の手助けができたならば幸いです。

薪ストーブはお金がかかり、維持も大変ですが、その苦労以上に得られるものは大きいです!

もしこのブログを読んで、薪ストーブのセルフビルドを進められている方で、疑問点をお持ちの方がいらっしゃいましたら、分かる範囲でしたらなるべくお答えいたしますので、コメント欄に質問事項を記述してくださいね!

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煙突の構成 3

2012-10-15 07:36:14 | 薪ストーブのセルフビルド(for woodstave builder)

今回は外の煙突の構成をご説明します。

Photo_2


90度T‥壁を抜けた煙突は90度Tへとつながります。ここで煙突は90度向きを変え上へと立ち上がるわけですが、90度Tの底をよくご覧ください。ここには蓋がついていて、通常の煙突掃除は、この蓋を外し、ここからブラシを挿入して煤を取り除きます。

上に立ち上がる煙突の掃除は、煙突ブラシにグラスファイバー製のシャフトをつなげて伸ばし、掃除していきます。

そして下の煙突は、90度曲がりが内部にあるため、グラスファイバー製のシャフトは入らないので、分解して掃除するか、あるいはロープを下まで垂らし、そのロープの先にブラシを取り付け、さらにチムニーボールというおもりを取り付けて掃除していきます。

ちなみに、以前にもこのブログでご紹介しましたが、ウチの場合は水平部分や90度曲がりの部分もきれいに掃除できるように、専用の細いグラスファイバー製のシャフトを自作しました。これはホームセンターの園芸コーナーで見つけたものを加工したものです。すでに何度か使いましたが、なかなか好調です。

ウォールサポート‥外部に二重断熱煙突を使う場合、ウチの場合でも煙突の重量が100キロ近くなってしまいます。

ウォールサポートは、その重い煙突を支えるもので、ウチの場合は直径10ミリのステンレススクリューを6本使ってしっかりと固定しました。補強板の固定は当然柱のある部分にスクリューを打ち込んでいます。

二重断熱煙突・30度曲がり‥T曲がりより上は、適切に煙突を組み合わせて屋根の上まで煙突を伸ばしていきます。煙突が重いので、しっかりウォールバンドで固定し、そのウォールバンド自身もしっかりと壁に固定してください。

また、屋根から飛び出した煙突長は、風による煙の逆流を防ぐためにも規定の長さを確保してください。(必ずマニュアルに指示されています)

煙突トップ‥煙突内に雨が入らないようにするものです。ウチはスタンダードなタイプの煙突トップ を取り付けていますが、強風用などもあります。

スズメが入ってくることがあったため、ウチはステンレスの金網を巻いています。

外部の煙突の構成はこのような感じですが、私はウォールバンドの固定をよりしっかりさせて、煙突メンテナンス時に安全なように、命綱も取り付けられる強度にしました。

煙突メンテナンスは大変危険なため、安全対策を十二分に考慮した煙突を設置してくださいね!

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煙突の構成 2

2012-10-14 18:06:07 | 薪ストーブのセルフビルド(for woodstave builder)

前回に引き続き、今回は煙突の構成の続きをご説明します。

今回は壁抜き部分についてです。

Photo


アダプター管‥90度曲がりの後にはアダプター管があります。これの役目は二つあります。

まず、壁を煙突が抜けるには二重断熱煙突が必須となるのですが、シングル管から二重断熱煙突に変換する目的があります。理想的にはさらにストーブに近い段階で二重断熱煙突に変換するほうが良いです。

アダプター管のもう一つの目的は、ストーブと壁との間隔の微調整を行うことです。

アダプター管も一種の「スライド管」ですから、ある程度の範囲であれば自由に長さを調節できます。

ストレートで煙突を抜く場合もこのアダプター管は使いますが、アダプター管から下の煙突が短く、煙突掃除の際全体に持ち上げることができるならば、スライド管を排してアダプター管のみで煙突を設置する場合もあります。

この場合は、スライド管と同じように、このアダプター管はスクリューでは固定しないのが普通です。

二重断熱煙突‥壁を煙突が抜けるときは、どんな時でも二重断熱煙突を使うのが常識です。

この理由はもうお分かりでしょう!

さて、壁の中の構造なのですが、これについては十分に注意する必要があるため必ず煙突業者さんの指示に従った工事を行ってください。

ちなみに私が行った工事を説明すると、壁にメガネ石が入るための穴をあけた後、木枠を作り、その木枠の内側にケイカル板を張り、その内部にメガネ石を挿入しました。

メガネ石は内壁側に合わせて耐熱シリコンコーキングで固定。内壁側に写真の化粧板をスクリューで固定していますが、写真をよくご覧ください。化粧板が少しだけ浮いていることが確認できると思います。これは、メガネ石に蓄積した熱を逃がすためです。

外側にも化粧板はありますが、これは雨仕舞を考えて壁にピッタリと固定。その間にはシリコンコーキングを塗布しています。

内側と外側の化粧板の間、メガネ石から出た二重煙突(壁の中でむき出しとなった二重煙突部分)にはロックウールを巻いて、さらに断熱しています。

ご参考までにウチの方法をご説明しましたが、くれぐれもこの部分は危険性の伴う部分であるため、繰り返しますが必ず煙突業者さんの指示に従った工事を実施してください。

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