飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

ALCによろ自作炉台‥まとめ

2012-07-23 07:47:00 | 薪ストーブのセルフビルド(for woodstave builder)

薪ストーブの自作炉台に、意外とアクセスが多いため、少し補足を加えておきたいと思います。

それだけ自作炉台に興味がある方が多いということでしょうね。

薪ストーブ屋さんに聞くと、昨年の震災以来薪ストーブの購入をする方が増えているそうです。

ライフラインをなるべく独立させ、そして、納得できない原発から供給される電気も、出来るだけ使いたくないということでしょうか‥。

以前にも申し上げましたが、薪ストーブは手がかかり面倒ですが、しかし、生活をとても豊かに変えてくれます。

私は真冬でもずっとTシャツ一枚で過ごし、炎を見ながら毎晩至福の時間を過ごしています。

そして、女房は薪ストーブを使って毎晩ニコニコしながら料理を作ってくれます。

そのような生活は、人間が本来持つべき自然なもののように思えるのです。

また、薪を作ることは里山の保全にもつながるため、自然との共存も成り立つのです。

我が家の炉台づくりの詳細については、一年前に女房のブログ「車中パグ」に記載しています。

http://pugmanbo.blog.fc2.com/blog-category-10.html

前回でもお話ししましたが、我が家の炉台は新しい構造になっており、おそらく長時間バーナーで炉壁をあぶり続けても火事にならないと思います。

002

安全性は十分と思うのですが、これから炉台づくりに挑戦される方のために、一年前の炉台づくりを振り返って「反省点」もお話しします。

まず、一番の反省点は、すべてALCにより作ったため、端の部分の強度が弱いことがあげられます。

この辺はやはり、炉台作りの定番の方法で「ツーバイフォー材などの木枠で回りを囲んだ構造」にすることをお薦めします。

炉台および炉壁の縁を、すべて木材で囲んでしまうのです。

この方法の方が強度があり、工作もやり易くなります。

そして二番目に、炉台のセラミックタイルを張り付けるとき、一年前はモルタルで接着しましたが、これはセラミックタイル専用の接着剤でもかまわなかったと思います。

熱を考えてモルタルを使用しましたが、接着が不確実です。

炉台部分は、安価な薪ストーブでない限り、それほどは熱を受けないようです。

ですから接着剤でも問題ないと思いますし、その方が簡単で確実でしょう。

更に同じセラミックタイルの施工で反省したのは、すべてのセラミックタイルを水平に施工することにこだわり過ぎたことです。

考えてみれば、それなりの薪ストーブならば、その脚に水平を合わせるための「アジャスター」があります。

少しくらいズレても、このアジャスターで合わせてやればよかったのです!

つまり、炉台作りの理想的な製作工程を述べると‥。

・ALCを設置

・モルタルを流し込み全体を水平にする

・セラミックタイルを接着

・目地専用モルタルで目地を埋め仕上げる

で良かったと思います。

最後に‥。

今回はALCを使用しましたが、一般の方には入手が少々困難な建築材料です。

これを解決する方法として、「ケイカル板」を使用する方法もあるようです。

ケイカル板はホームセンターで容易に入手でき、価格も安価で工作性も良好です。

ただ、ALCや一般的な炉台に使われるレンガよりも熱遮断性は劣るので、それなりの工夫は必要でしょう。

それについては、ネット上でも様々な方が挑戦しているので、それを参考にしてくださいね。

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ハンググライダーの進化の歴史 15

2012-07-22 11:38:04 | ハング(hangglider)

今から20年ほど前、ハンググライダーはあらゆる改良が繰り返されて、ハングの進化はもうこれまでか?と言われた時期がありました。

しかし、実際は現在もなおハングの進化は続いています。

今回ご紹介するのは、そんなことが言われた20年ほど前に出現したハンググライダーです。

Hpat アメリカのウイルスウイングが作ったHP-AT(ハイフォーマンス アドバンスドテクノロジーの意)です。

この機体では、実は今に続く「ステップダウンリーディングエッジ」が初めて採用されました。

これはどのようなものかというと、下の図のように、フロントスパーに対しリアスパーに細い径のものを入れるというものでした。

001 それまでのハンググライダーのスパーは、フロントもリアもそれほど径の違いがないものが使用されていました。

一般に、スパーの直径は、太いものほど固くなるため、コントロールは重くなりますが、高性能になります。

逆に細いものを使用すると、コントロールは軽くなりますが性能は出ません。

この問題を見事に解決し、「美味しいとこどり」にしたのがステップダウンリーディングエッジなのです。

実はよくよく調べてみると、ハングの性能により影響を与えているのはフロントの方、コントロール性に影響を与えているのはリアの方と分かってきたのです。

それならば、フロントスパーの直径を太くし、リアスパーを細くしてやればよい‥。

その発想がステップダウンリーディングエッジだったわけです。

HP-ATはメーカーのもくろみ通り、性能とハンドリングを見事に両立することに成功しました。

そして、この技術は瞬く間に他のハンググライダーにも採用されていったのです。

この技術はのちのセールカットの進化にも影響を与え、VGがより効果的に効かせられるようになり、大きくハンググライダーの性能を上げる結果に結びついています。

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ハンググライダーの進化の歴史 14

2012-07-05 19:33:20 | ハング(hangglider)

フォイルで採用されていた、メインバテンとアンダーバテンをつなげるベルクロ‥。

これはいったいどのような効果があるのか、今回はご説明します。

002 以前、マライヤという初めてのダブルサーフェース機をご紹介して、そのグライダーはアンダーバテンを使用していなかったがために、ピッチ安定が無くなり墜落事故が続発したことをご紹介しました。

そしてマライヤは、アンダーバテンを入れることによって、グライダーがピッチ不安定に陥った時に生じるアンダーセールの膨らみを防止し、安定を保つことが出来るようになりました。

つまり、ハンググライダーにとって、アンダーセールが膨らむということはとても危険なことなのです。

アンダーバテンが開発されて以降、長い間ずっとアンダーセールが膨らむ現象を防止するには、アンダーバテンだけに頼っていました。

しかし、アルミのアンダーバテンとて、十二分な剛性を持っているわけではありません。

やはり、ピッチの安定が無くなり、急激な加速が生じると、アルミのアンダーバテンも少なからず変形してしまうのです。

そして、そのわずかな変形でも、ハンググライダーを不安定にしていたのです。

このアンダーバテンの変形を押さえて、更にピッチ安定を良くするために考え出されたのが、メインバテンとアンダーバテンをつなぐベルクロだったのです。

メインバテンは湾曲していて、剛性もしっかりしていますから、これにアンダーバテンをベルクロでつなげれば、アンダーバテンの変形も抑えられ、ピッチ安定がしっかりしてくるのです。

フォイルで採用されたこのベルクロは、瞬く間に各メーカーのグライダーに浸透し、ハンググライダーはより高性能で安全なものへと変わりました。

今のハンググライダーは、必ずと言っていいほど、アンダーバテンとメインバテンがベルクロでつなぎとめられています。

しかし、このベルクロも、その長さが適正に設定されていないと、その効果が期待できません。

適正なベルクロの長さは、飛行時に、張らず弛まずの状態です。

弛み過ぎれば、当然アンダーバテンの変形を押さえられないので、ピッチが不安定になります。

逆に張りすぎたときは、翼の自由な動きを束縛するため、コントロールが重くなります。

皆さん、注意してあげてくださいね!

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ハンググライダーの進化の歴史 13

2012-07-01 21:15:37 | ハング(hangglider)

今回ご紹介する機体は、オーストラリアにかつてあったエンタープライズウイングスというメーカーが作った「FOIL」という機体です。

今となってはマイナーな機体ですが、実はこの機体、今に通じるテクノロジーを二つも取り入れていたグライダーで、ハングの進化を語る上では外せない機体と思いますので、今回ご紹介いたします。

Foil パッと見た感じ、当時でもアスペクトレシオはそれほどでもなく、何の変哲もない機体なのですが、実は「コンペンセーター」が取り付けられ、翼の中にはメインバテンとアンダーバテンをつなぐベルクロがつけられた機体だったのです。(ちなみに補足ですが、順番的にはマジックキッスがコンペンセーターは最初だったかも知れません‥)

この技術は、ほとんどの現在のコンペ機には常識的に使われているものです。

コンペンセーターとベルクロが、なぜそんなに大事か?それについてご説明します。

まずコンペンセーター。

以前の回で、VGがONとなった時にラフラインが張るように長さが調整されているとご説明しましたね!

VGがONの時が、一番ピッチ安定が無くなってしまうため、ハンググライダーのラフラインの長さは、VGがフルONとなった時の安定性を最重視して、その寸法が設定されています。

しかし、そのような巧みな長さに調整されたラフラインの長さも、場合によっては困ったことが生じるようになりました。

それはVGがOFFの時の長さなのです。

基本的にVGがOFFの時は、ラフラインは弛んでいれば、コントロール上は問題ないのですが、しかし、VGを戻すとラフラインが弛み過ぎてしまうのです!

弛み過ぎたラフラインは、通常は問題ないんですが、しかし、サーマルを外したとき等「落し」を食らうと、ラフラインが効き始めるまでタイムラグがあるため、余計に落ちてしまう、言いかえれば「ピッチ安定」が悪くなってしまうのです。

つまり、ラフラインの長さのベストは、VGをOFFにしたときに、ラフラインが張らない程度に少しばかり縮んでくれるのが理想的なのです。

そのために開発されたのが「コンペンセーター」だったのです。

001

コンペンセーターは、VGがOFFのとき、キングポストを前に倒すか、あるいは、ラフラインそのものの長さを滑車で引っ張り上げるなどの方法により、いつでも理想的なラフラインの長さに設定してくれているものなのです。

この機構を取り付けると、VGがOFFの時のピッチ安定が増し、乱気流等に強くなるのです。

上でも少し述べましたが、このコンペンセーターをつけると飛びがより安定してくるので、現在のキングポストレスでも同じ効果を狙って、スプログやダイブスティックの角度が変わるようになっているのです。

ちょっと長くなったので、翼の中で成型バテンとアンダーバテンをつなぐベルクロの説明は、次回に回させていただきます。

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