今までご説明してきたハンググライダーの進化の歴史‥。
どのような道筋でハンググライダーが現在の性能になったかご理解いただけたでしょうか?
ただアルミパイプとセールでできた単純な翼ハンググライダー‥。
しかし、その細部はとても考えらており、おいそれとは触ることが出来ないまで進化しています。
実は、私がこの連載を始めたのは、今のハングフライヤーがあまりにも機体の構造を知らない現実に直面したからです。
旧型のキングポストレスをひっぱり出してきて、「ダイブスティックがこんなに上がっているのはおかしい!」なんて言ったり‥。そりゃ~トランスバースバテンが入っていないから当たり前でしょ!という場面も何度か経験しました。
そして不幸にも、そのような間違った知識でグライダーを扱い、命を落とした方が、私の身近にも2人います。
ちゃんと勉強していれば、そのようなことは防げたはずです。
そこで今回、安全面への警告という題は一切使わず、あくまでグライダーの進化を説明しながら、間接的にどの構造がどのように安全性を保っているかについて説明することにトライしてみました。
最初から押しつけがましく教科書的に書いても誰も読まないと思ったからです。
というわけで‥。
最後を締めくくるものとして、今後ハンググライダーはどうなるか?について述べさせていただきます。
時代が進めばさらに性能は増すだろう‥。
そのような可能性も確かにあります。
しかし、切実な問題として次のようなことも考えられます。
ハング人口の世界的減少のなか、各メーカーもその売り上げを落としていっています。
これは開発コストを捻出できないという問題の他にも、材料のアルミ材の確保も問題となってくる可能性もあります。
アルミはその熱処理のために、ある程度まとまった量の注文が必要ですが、このままハング人口が減少すると、その量をまとめられなくなる可能性も出てきます。
実は、日に日にハンググライダーの生産が苦しくなってきている現状もあるのです。
それでは、どのようにすればこのハンググライダーというスポーツを存続させ、さらに進化した機体が作れるのでしょうか?
その答えは簡単です。
ハンググライダー界の活性化です。
この目的を達成するためにも、私たちはよりいっそう安全面に留意し、世間にハンググライダーは安全で楽しいものと認識させ、同時に、普及活動によりいっそう取り組んでいく必要があると私は思います。
長い間お付き合いありがとうございました。