飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

男のセーフティーノーツ その13

2009-01-27 21:54:23 | ハング(hangglider)

皆さん!パラシュートのリパックはちゃんと定期的に行っていますよね!

ベテランになってくると、かえって空を飛ぶことに慣れてしまうために、リパックのような基本的なことが、結構おろそかになってしまっている方が多いように思われます。

ところでパラシュートのリパックはなんのために行われていると思います?

パラシュートを乾かして開傘を早くすると言うのは二番目の目的…。

一番の目的は、実はちゃんと開くかどうかチェックすることにあるのです!

ですから、リパックのときは、ショップにそのままリパックをお願いして自分は帰ってしまう!のではなく、必ずシミュレーターにぶら下がって、実際にパラシュートを取り出して、本当に問題なく取り出せるかどうか、自分でチェックしてみないといけないのです!!

結構多くのハーネスで、パラシュートの取り出しに問題のあるものを、実際に見かけます。

やはり、本当に自分で取り出してみないと、結構分からないのもなのですよ。

多くあるトラブルは、以前でもご紹介した大型パラシュート挿入による取出しにくさ…。

それにパラシュートノブ、あるいは、延長したトグル分でパラシュートのピンがはずれない、あるいはピンははずれてもトグルが長すぎてパラシュートが出てこない!というものがあります。

そのほかにも、もともとパラシュートが間違って挿入されている!?例、ひどいものではプルダウン方式のパラシュートのリパック時に使われるパラシュートをまとめる紐が取り忘れられている(つまりパラシュートが開かない!)状態のものも、わたしは今まで結構見てきました。

怖い話ですが、実際にシミュレーターにぶら下がってパラシュート取り出しを行って見ると、やっぱり半分近いものが何らかの問題を持っているようです。

ですから、パラシュートのリパック時は必ずご自分で本当にパラシュートが問題なく出てくるか、チェックしてみましょう!

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男のセーフティーノーツ その12

2009-01-20 19:28:56 | ハング(hangglider)

皆さんは、最新型のパラシュートブライダルコードがハーネス付けのタイプのハーネスで、もし、利き腕と違う腕で普通にパラシュートを投げると、どのようなことが起こるかご存知ですか?

意外と、皆さん考えていないようで、この行為は、時としてパイロットの命を奪いことになりかねないことに気づいていないようです…。

パラシュートには当然ブライダルラインがつながっています。

当然この状態で利き腕とは違う腕でパラシュートを普通に外に向かって投げれば、ブライダルラインは体に巻きつくようになります。

この状態で足元の方向にパラシュートが開いてくれれば、ブライダルラインは割と高い確率で足をすり抜けて安全に開傘することが出来ます。

しかし、もし頭の方向にパラシュートが開いたときを考えてみてください。

最新コンペハーネスでは、ブライダルラインは背中の上についているわけですから、ブライダルラインは体に巻きついてままパイロットの前方で開いてしまうと、かなり高い確率でヘルメットの下、顎の部分に引っかかってしまうのです!

つまり首吊り状態…。

しかも開傘時には強い衝撃が加わります。かなり高い確率で「即死」でしょう。

このことをほとんどのパイロットは自覚していないのではないでしょうか?

ブライダルラインが背中に取り付けられている最新コンペハーネスをお使いの方は、十分にこのことをご理解ください。

ちなみにEXEのコンペハーネスは、マニュアルには背中付けの方法を記載しておりますが、従来のカラビナ付けにも変更できるようになっております。

また、従来のカラビナ付けのハーネスをお使いの方も、パラシュートがつく方とは反対側の腕でパラシュートを取り出し外に向かって投げることは、あまり安全とはいえません。

これはあくまで「緊急時」と考え、なるべくパラシュートが付く方の外側にパラシュートを投げるようにしましょう!

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男のセーフティーノーツ その11

2009-01-15 18:47:50 | ハング(hangglider)

パラシュートをハーネスに取り付ける際、まさか、皆さんはパラシュートのノブにハーネス付属のパラシュートトグルを付けてないでしょうね?

つい最近、私がよく飛んでいる足尾エリアで、パラシュートの取付を頼まれたのですが、パラシュートバッグを見たところ、あまりにも旧式のために、ハーネス付属のパラシュートトグルをつけるタグが無くて困っていたときのことです。

「そんなのパラシュートノブにつければいいじゃん」。実はハング歴20年以上のベテランの方がそう言うのです!

皆さんはお分かりでしょうか?このようなことをしてしまうと、パラシュートを取り出したときにパラシュートノブ+パラシュートトグルの長さになるため、大変パラシュートが取り出しにくく、場合によっては取り出せないことが起こります。

腕の短い女の子等は、かなり高い確率でおそらく取り出せなくなるでしょう。

しかし、以前間違えたこのようなパラシュートの収納方法が一般に普及してしまったため、未だにそれが直されていない事例が、かなり多くあるのです。

パラシュートを確実に取り出すには、パラシュートトグルの長さが重要で、長すぎると、腕が伸びきってしまいパラシュートが取り出せません。

反対に、パラシュートトグルが短すぎると、今度は、トグルのピンが抜けずにパラシュートが取り出せなくなります。

実は、この長さは結構微妙なものなのです。

ですから、皆さんは一度シミュレーターにぶら下がって、自分のパラシュートが本当に問題なく取り出せるかどうかチェックしてみてください。怖い話ですが、おそらく適切なパラシュートの収納がされておらず、何らかの問題があるものが、半分近くあるのではないでしょうか?

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男のセーフティーノーツ その10

2009-01-06 20:13:00 | ハング(hangglider)

今年最初のセーフティーノーツ。実はちょっと現在の日本のハング会に疑問を投げかけるものを述べてみます。

尚、これは私個人の意見であり、この件に関するクレームは私自身にお願いいたします。

実はハーネス作りを長年続けていく中で、私はパラシュートに関して疑問を持たざるを得なくなりました。

それは、現在の日本のハングショップで主流として販売されている大型パラシュートに関する疑問です。

各ショップ様では今までの流れとして大型パラシュートを多く取り扱っております。

しかし、本当に現在のハーネスに於いて、この大型パラシュートが安全と言えるのでしょうか?

実は、現在のハーネスはユーザーからの要望でパラシュートは限界までコンパクトにまとめることが要求されています。

このような設計がなされたハーネスに於いて、大型パラシュートをいれた場合、実はパラシュート射出速度が著しく遅れてしまうのです。

これはどのメーカーのハーネスでも同様の結果が出ます。

そして、大型パラシュートは開傘においても小型パラシュートより時間が要求されてしまいます。

更に悪いことに、大型パラシュートは落下速度がある程度ないと開傘出来ない傾向があります。

もちろん大型パラシュートは開傘すれば落下速度は確かに遅いものとなり、現在の技術ではより安全に降下することが出来ます。

しかし、いかんせん、パラシュートと言うものは開かなくては意味がないのではないでしょうか?

そういう意味で、大型パラシュートは信頼性が低いのでは?と、私の中で考えざるを得なくなったのです。

そもそも、大型パラシュートを推奨するメーカーは、本当に現在の最新ハングハーネスに収納した状態で開傘実験を行っているのでしょうか?

私にはどうしても、パラシュート単体にて開傘実験を行い、降下の安定性、そして、降下速度のみを評価し、実際のハーネスから取り出す条件でテストしているとは思い難いのです。

現実問題として、大型パラシュートの寸法は、ハーネス脇下からレッグストラップの付け根となる位置の中に納まり難い寸法で製造されており、ハーネスメーカーとしての意見を言うと、現在のハングハーネスには物理的に無理のある寸法と言わざるを得ないのです。

更に、日本人には女の子等小柄な方が多いのですが、このような方に大型パラシュートを使用させた場合、体の動きを束縛することによるランディング時のスタンディングがやりづらい傾向があり、そのことによるクラッシュ等の危険が発生しています。

このような理由で、私は現在日本で主流の大型パラシュートの安全性には大きな疑問を持っております。

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