飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

C-46の思い出…。

2016-03-27 20:31:20 | ロマン飛行(romance of flying )
C-46と聞いて「あ!あの飛行機…。」と分かる方は、よほどの航空マニアだろう…。

かつて日本の空を飛んでいたC-46…。

私が中学生だったころまでは、確かまだ現役で飛んでいた飛行機である。



このC-46は、銀色に輝くアルミ合金と、腹に響くような重低音を響かせる星形レシプロエンジンを搭載し、かつてあった本当の飛行機

らしい匂いを醸し出している飛行機としては、最後まで頑張って日本の空を飛んでいた飛行機なのである。


時代が進み、飛行機がジェット化し、複合材の採用、そして、コンピューター制御と味気ないものに変わってしまった現在、妙にこ

のレシプロエンジンのC-46が懐かしくて仕方ないのである…。


私は和歌山の南の方の出身なのであるが、子供のころはよくこのC-46のエンジン音を聞いていた。

大出力星形エンジンのみが持つ、独特の「ゴロゴロ」という重低音と共に飛行するC-46をよく眺めていたものである。

はっきりとはしない情報なのであるが、私が小学生くらいの時に両親に聞いた記憶だと、確かこのC-46は紀伊半島突端の大島の航空自衛隊の基

地から飛び立っていたと聞いた記憶がある。

相当怪しい記憶であるが、でも、しょっちゅうこのC-46の飛行を子供のころ見ていたので、基地が近くにあったことだけは間違いないと思う。

このC-46。2000馬力級の星形エンジンを2基搭載したアメリカ カーチス社の作った輸送機なのであるが、2発エンジンの飛行機としては史上最

大のもので、第二次世界大戦中に活躍。戦後は日本の航空自衛隊に採用となり日本国内で飛行していたものらしい。

後から調べて分かったのであるが、このC-46に搭載されていたエンジンは、かつて日本軍を苦しめたコルセア、ヘルキャットに乗せられていた

エンジンと同型とのことである。



飛行機もどんどん進化を遂げて現在の姿へと変わってきたが、正直現在の飛行機は、なんか、飛行機というよりもコンピュータでかためられたただの機械を見てい

るような気になってしまう…。


その点、今回ご紹介するC-46はアナログっぽく、本当の飛行機らしい飛行機として妙に懐かしく感じるのである。

航空自衛隊では、かつて、このC-46を「空のデゴイチ」という愛称をつけていたそうであるが、なるほどうなずけるものがある。




正直、このC-46の飛行を生でみた記憶を持っているのは、私世代が最後だと思う。

今はもう、あの独特な「ゴロゴロ」っという重低音の星形レシプロエンジンの音はなかなか聞けないであろう。

単列の小排気量星形エンジンならば、まだ、日本国内でも生きている飛行機はあるようなのであるが、C-46のような2000馬力級ではおそらく現存していないと思う。

私はC-46のような本当に飛行機らしい飛行機が飛ぶのを、リアルタイムで見れていたことが今更ながら幸運であったと最近思えるようになった…。









コメント (2)
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こんなものも作っています。

2016-03-15 07:57:23 | うんちく・小ネタ(absurd story)
ウチはスカイスポーツ用品しか作っていないと思われている方も多いと思うのですが…。

実は、スカイスポーツで培われた技術で、あらゆる分野の製品も製造しています。


下の写真の製品…。なんだと思います?



これ、実はある工場から開発依頼のあった、ミシンを扱う工員さんの防護服なのです。

具体的なところはご紹介できないのですが、わかりやすく言うと、非常に硬いメッシュ生地をカットしたり縫製したりするとき使われます。

通常の作業服でこの作業をすると、メッシュ生地がこすれて服があっという間にボロボロになってしまうため、ウチに開発依頼が舞い込んだのです。

早速依頼のあった工場に出向き、現物を見ていろいろ検討…。

持参したあらゆる生地を、問題の硬いメッシュにこすりつけて一番耐久性のある生地を探してみます!

申し遅れましたが、実はこの工場、日本で製造される「紙」を作るときに使われている吸水布(和紙をすくときの四角い枠の布のようなもの)の、なんと8割を製造しているという工場なんです!

いろいろと手持ちの生地の耐久性を調べてみますが、意外にもハンググライダーに使われているセール生地が一番耐久性があることが分かりました。

適材が分かれば後は早いです!

早速自宅に帰り、ネットで作業着の「型紙」を出力し、都合の良い形に変えて試作品を作ってみました。

それが上の写真にご紹介したものです。

試作品なので、少し材料を変えたものも作り先日注文先の工場に納品いたしました。

先方も思っていたよりも良いものができたと喜んでいただけたようです。


ウチはスカイスポーツ用品というかなり特殊な業務内容ではありますが、その製造に使われている技術をうまく使えば、あらゆる業務分野に応用が利くものなんですね!
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試作その2

2016-03-02 08:54:33 | ハーネス(HG harness)
再び試作品をご紹介いたします!

今回のものは予想以上に効果があることを確認しました



矢印のショックコードなんですが…。

これ、ひょっとしたらハングハーネスに革命をもたらすかもしれません。

現在キックバックシステムという呼び方をしています。

…。と、言っても構造は極めてカンタン!

ただメインラインをショックコードを使って、パチンコのように前へ押してるだけなんです。

で、これは何を目的としているかというと…。

ハングハーネスにおいて、ピッチの安定は重要なものです。

このピッチ安定。メインラインが後にあるほど良好になるのですが…。

しかし、

あまり後にしすぎると、ランディング時に体が起きなくなってしまうんです!

これは、メインラインが後になる…。つまり、人間の重心位置よりも後になってしまうと、体を起こすときにその重心位置を上にあげなければいけないためです。

ですから、メインラインが後になればなるほど体は起きなくなります。



それならば…。

メインラインを別の力で前へ押してやればよいのです。

これが、今回ご紹介するキックバックシステムの原理です。

普段のフライト時は、メインラインは足を突っ張ることによって、プルバックラインにより後に移動しています。

これがピッチが安定した状態を作り出しています。

しかし…。

ランディングしようとファスナーを開いて足をだすと…。

キックバックシステムが効いてメインラインを前へ押し出してしまいます。

その結果、いとも簡単に体が起きてしまうんです。



このキックバックシステム、現在はテスト段階ですが、かなり効果が高いので今後の弊社のハーネスに採用する可能性が高いです。


弊社がハーネスの作る目的は、より使いやすいハーネスをお客様に御提供するためです。そして、ハンググライディングの安全性を高めることです

そのためには、このようなアイデアはメーカーの枠を超えてお互いが真似しあうべきだと考えています。

だから、積極的にこのようなアイデアは公表すべきであると思います。
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