前回では、今までのハーネスは、ランディング時体を起こそうとすると、結果的に重心位置がメインライン取り付け部より上方に移動しようとするため、重いものを上にあげるのと同じように、起きあがりを悪くしてしまっていることをご説明しました。
それでは、起きあがりが良いハーネスを作るにはどうすればよいか?
その一つの答えとして、重心位置が、メインライン取り付け部よりも上に行かないようにすればよい。という答えを導き出すことが出来ます。
そして、それを実現するため、レッグストラップの取り付け位置に注目したのです。
レッグストラップはメインラインよりも少し前に取り付けられた状態を表していますが、このようにすると、レッグストラップに体重が加わることにより、ハーネスが折れ曲がるのです。
そして、その結果折れ曲がりの分だけ人間の位置は下方に移動し、同時に重心位置も下方に移動するのです。
その結果、メインラインの取り付け位置よりも重心位置は下になり、簡単に体を起こすことが出来るハーネスになるのです。
分かってしまえば理論はとても簡単なのですが、実はこの事実は弊社以外のメーカーは、まだどこも気づいていないのです。
極めて簡単な理論で、格段に良いハーネスが作れるのですから、早く他のメーカーもこれを採用してほしいと考えております。
そして、その理論を一番最初に提唱してくださった平林氏には、深く感謝しなければならないと思います。