飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

ハング界を活性化するには! 価格の問題2

2010-06-29 21:22:41 | ハング(hangglider)

さて、ハンググライダーを始めやすくするために、価格を落とす方法。

それは、以前から考えていたのですが、「FALCON 1型のオーバーホールニュー機の普及」です。

オーバーホールニューとは、古くて寿命が来てしまった機体を、再び使える部品のみ生かして、消耗してしまった部品のみ新品に交換して、再び使用する機体のことです。

一見、この方法は乱暴そうに聞こえるかも知れません。

しかし、客観的にハンググライダーの部品を調べてみると、消耗しているのはセールと、あと、一部のワイヤー類。コントロールバーまわりの部品程度なのです。

特にセールは古くなるとさすがに見栄えも悪く、性能も確実に落ちます、

しかし、フレーム等はしっかり検品し、へこみや疲労がなければ、実はまだ十分に使えるのです。

よく言われるアルミニュームの金属疲労の問題に関しても、実は、問題となる飛行時間に対し、ハンググライダーは問題にならないほどに少ない時間で、セールの方が先に寿命が来ているのです。

更に、金属疲労も、しっかり目視検査をすれば、金属の表面の色が変わっているので、オーバーホール時にしっかり検査すれば、十分見つけられます。

つまり、安全性にはまったく問題なく、オーバーホールニュー機を作ることが出来るのです。

この方法でFALCONを再生した場合、おそらく、見た目は新機でも、価格は30万円あまりで仕上げることは出来ると、私は見積もっています。

更に期待したいのは、このオーバーホールニュー機が、更に中古として市場に出回ったとき。

当然中古機の値段は、新品のときの価格を基準に決定しますから、今までよりも大幅に価格が下がることになります。

もちろん、この方法は、ウイルスウイング社、および、その輸入代理店であるオーパ様の了解を得る必要があります。

しかし、あまりに高くなったハンググライダーのために、最初に講習生が新機購入をあきらめてしまうよりも、より、手が届き易い価格にしておき、機体の購入をしやすい環境をまず作っておいて、グライダーの販売を促進させていくほうが、私は結果的に、ウイルス社にとっても、オーパ様にとっても、そして、何よりも日本のハング界にとっても利益があることだと考えています。

ただ今のハーネス納期情報。 バックオーダーは3着ですが、大物の仕事が入っているため、ただ今の納期は一ヶ月半ほどになっております。

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ハング界を活性化するには!価格の問題

2010-06-28 20:47:47 | ハング(hangglider)

話を久々にハング界の活性化に戻しましょう。

私は、今一度、イントラはハンググライダーの価格について考えてみるべきだと思います。

女房とも話しましたが、やはり、最初にかかるお金が大きすぎ、それが多くの人にはハードルになってしまっているのではないかと思えるのです。

仮に、私がハングを始めたときは、最初から新機を買うなどは考えられず、もし、新機を買わなければいけないのであれば、私でさえハングをやめていたと思います。

一般の人は、いろいろな情報を得て、なにを自分の趣味にするか賢く考えていると思います。

それだけに、他のスポーツもいろいろ調べているでしょう。

たとえば、ハングと比較されそうな他のアウトドアスポーツの金銭的なものを考えてみると、

バイク(250cc)  約50万

スキューバダイビング フルセットで約40万

ヨット(ディンギー) 約50万

そしてハング 機体50万 ハーネス10万 パラシュート8万 ヘルメット2万  計70万…。

この価格は、やはり他のスポーツに対して不利であるといわざるを得ません。

私の女房は、実は大学時代にヨットを本格的にやっていた経験があり、ヨットの場合は共同で艇を管理していたりして、ずいぶん金銭的には負担が少なかったそうです。

そんな女房からは、正直、やはりハングはお金がかかるスポーツであるという意見が出ています。

確かに、講習費で既に10万円ほどかかるわけですから、将来的にハングを続けるにはどのくらいお金がかかるか見えてくると、途中で多くの方がハングをやめてしまう可能性が大きいといえます。

しかし、実は、私はこの問題に感して、今までにない新しい考え方、アイデアを持っています。

それが実際に実現できれば、おそらく、ハングの機材一式の価格が今の半額程度で抑えられるのでは?と、考えております。

その方法については、次回、ご紹介したいと思います。   

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パラシュートの性能

2010-06-22 21:49:19 | ハング(hangglider)

先日のフリーフライト社訪問の際、実は藤原氏の新しい考え方についても教えてもらった。

今までのフリーフライト社は、LARA250は進化したパラシュートで、傘の面積が大きくても安定して降下できるため、全てのパイロットにLARA250を進めていた。

ここで、パラシュートの特性を念のため紹介すると、面積の小さいパラシュートは降下速度が早いが、開傘が早く降下も安定する傾向にある。

反対に、面積の大きなパラシュートは、降下速度が遅いものの、開傘に時間がかかり、降下が安定しない傾向にあった。

しかし、技術の進化で、フリーフライト社のパラシュートは面積が大きくても降下が安定するようになったため、全てのパイロットに250を薦めていたわけである。

しかし、パラシュートのこの進化に対し、ハングハーネスの進化は別の方向に進んでいた。

近代のハングハーネスは、流線型化が進むと共に、ハーネスサイドの出っ張りがあると体重移動時にアップライトにパラシュートがぶつかってしまう、あるいは、出っ張りが大きいと、パラシュートがリアワイヤーに引っかかりやすくなる等の理由があったため、出来るだけパラシュートが出っ張らないように、ハーネス内にまでポケットを作って、そこにパラシュートを入れるなどの工夫がされるようになった。

しかし、ハーネス内にまでパラシュートが入り込む形式の場合、物理的にパラシュートの収納スペースに制約が発生してしまうため、大きなパラシュートは収納できない、あるいは、取り出しに時間がかかるものになってしまっていたのである。

この辺の問題について、ぶしつけながら私はユキさんに申し出て、実際に私のハーネス(LARA250使用)でパラシュートの取り出し具合等をみてもらったりした。

ユキさんの考えとしては、「安全を最優先に考えるなら、やはり、そのハーネスに一番適した

パラシュートを提供していくべき。実は、フリーフライトの実験で、軽い重量同士でLARA175とLARA250の降下速度を比較すると、その降下速度差はそれほどでない!つまり、LARA175とLARA250の降下速度に違いはない!

これが重量90キロを超えるあたりから、その降下速度に違いが生じ始め、LARA250の方がゆっくり降下しはじめる。

ハングの場合、グライダーも抵抗体としていっしょに降下するのだから、日本人の場合はLARA175でも降下速度はそれほど速くならない」

という回答をいただいた。

そして、フリーフライトジャパン社としても、これからはその人の体重を考えて、LARA175の販売も進めていくとの回答をいただいた。

この回答は、ハーネスメーカーとしての弊社としてはとてもうれしいことである。

そして、フリ-フライト社を訪問し、話し合った成果を十分感じることが出来た一日であった。

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フリーフライト新インナーバッグ

2010-06-17 21:41:11 | ハング(hangglider)

あまり詳細までこの場では公表を控えるが、昨日フリーフライト社で私が見た、藤原氏が開発した新インナーバッグはかなりすごいと感じた。

このインナーバッグを簡単に紹介すると、ヨーロッパ形式の長所とアメリカ形式の長所をうまく組み合わせた方法と紹介するのが妥当であろう。

はじめ見たときは、まったく今までみたことがない形に、さすがに少々驚いた。

ここで、インナーバッグのヨーロッパ形式とアメリカ形式について、念のため紹介しておこう。

ヨーロッパ形式のものは、別名「風呂敷き型」とも呼ばれ、キャノピー部とサスペンションライン部がいっしょに収納されている形式で、パラシュートを投げると、風呂敷き型のインナーバッグが開き、この二つが同時に開放されるものである。

対して、アメリカ形式のものは、別名「封筒型」とも呼ばれ、キャノピー部が封筒型の袋に入り、サスペンションライン部がその袋のサイドにある袋に別収納された形式のものである。

これらはそれぞれ長所、短所を持っており、どちらが優れているかは、正直結論を出せないでいた。

しかし、今回藤原氏が開発した新しいインナーバッグは、見事にこれらの違う形式のインナーバッグの長所だけを引き出せるような形状に設計されていた。

つまり、パラシュートの絡まりの可能性が極めて少なく、しかも、開傘も早い、今までにない安全性の高いインナーバッグということだ。

実際、藤原氏は私の目の前で、その新型インナーバッグの開傘をシミュレーションして見せてくれたが、実にスムーズに、そして、確実にパラシュートが出てくる。

最後には、キャノピー部が完全に開放される形になり、確かに、これならばサスペンションラインのからまりも発生せず、キャノピーの開傘もすばやく行える。

加えて、パラシュートもコンパクトに収納可能で、最近のハングハーネスのレーサータイプのように、パラシュートがハーネス内のバッグに押し込める形式の物でも、その小ささ故、抵抗なくスムースに取り出せそうだ。

実に見事なインナーバックである。

この日は、藤原氏の研究熱心さ、開発力に私は頭が下がってしまった。

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フリーフライト社との協力

2010-06-16 22:15:19 | ハング(hangglider)

本日は久しぶりにフリーフライトジャパンをお邪魔した。

フリーフライト社は、日本のハング界でもっとも多く使われているバックアップパラシュートのメーカーだ。

今回私がお邪魔した理由は、私の方の仕事で、同じお客様からのクレームが続き、その対処方が最終的にまずい方向になってしまい、このことが問題となったため、その対応方法を考えるためだ。

根本的には今までのフリーフライト社のパラシュートが大きさが、弊社のハーネスにとって無理が生じていたことが原因であった。

しかし、本日フリーフライト社を訪問したところ、既に上記の件に関し対応した新しいインナーバックが完成していた。

この新しいインナーバックにLARA250を入れ、本日、私とフリーフライトジャパン代表藤原氏(通称ユキさん)の二人で弊社のハーネスに挿入し、いろいろと試験した。

新しくユキさんが開発したインナーバックは、LARA250とは信じがたい大きさに納まっており、いままでのLARA250とはイメージがまったく違うものだった。

そして、テストの結果、パラシュートの取出しが驚くほどスムーズになり、抱えていた問題が見事に解決された。

私としては、ほっと一息…。

加えて、ユキさんの方からは、弊社のハーネスに関する貴重な改良のアドバイスもいただき、早速その改善も行う方向。

もちろん、この新しいインナーバックは近いうちに商品化される予定だ。

製品を開発するとき、メーカーは自分の領域からなかなか踏み出せずに、自分の都合ばかりいいがちある。

しかし、このようにパラシュートメーカーとハーネスメーカーが顔を合わし、お互いの意見を言い合いながらその意見を調整し、一つの製品を開発していくことは、とても良い事だと感じると同時に、これからのものづくりで大切にしなければいけないことと感じた。

余談だが、今日いっしょに連れて行った女房は、あのユキさんの強烈な個性に、たちまちファンになってしまった…。

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