皆さんは薪ストーブって聞くと、「ああ、寝る前に薪を入れておいて、空気を絞っておけば朝まで火がもつんでしょ!」と、考えられる方も多いでしょう。
確かに、朝起きた時に既に部屋は暖かく、空気レバーを開くだけで部屋がすぐに暖かくなれば理想的ですよね!
しかし、現実的にはそこまで薪ストーブって便利にはできていないのです‥。
まず、上で述べたことを本当に実施したらどのようなことになるか‥。
まだ本格的に薪が燃えていない場合、空気を絞ることにより薪ストーブの温度が下がってしまいます。
それにより不完全燃焼を起こしはじめ、煙突からは煙がモクモク‥。
数回ならば問題ありませんが、これをいつも繰り返していると、たちどころに煙突は煤だらけ‥。
ストーブのガラスも真っ黒になってしまいます。
薪ストーブというものは、出来るだけ煙突から煙を出さない方が、煤もつかず理想的な燃やし方といえるのです。
とはいうものの、やっぱり朝起きた時には部屋があったかいままで保ちたいものです。
さて、それではどのように一夜焚き、つまり、次の朝まで火をもたせれば良いのか‥。
まず、これをやるには性能の良いストーブでなければ無理です。
申し訳ないのですが、安価なストーブなどは隙間が多いため、朝まではとても火がもたないようです。
また、それなりのメーカー品でも、小型のものは、やはり、朝までは火がもたないようです。
薪ストーブの燃焼時間の長さは、ストーブが大きければ大きいほど有利と考えて間違いないでしょう。
これらの条件を満たしたうえで一夜焚きするには、更にテクニックが必要です。
今回、これについて実際に私が実践している方法をご紹介したいと思います。
今のところ一番うまくいっている方法ですが、ひょっとしたら更に良い方法があるかもしれません。その時は、是非その方法をお教えください。
まず、寝る時間を計算し、その時にだいたいあらかた薪に火が通り、「熾き」の状態になるように考えて、薪をくべておきます。
そして、もちろん二次燃焼の状態にまでもっていきます。
その時にくべる薪は、出来るだけ火持ちが良い薪、たとえばクヌギやナラ、ケヤキなどを選びます。
その後、寝るときになったら、だいたい熾き火になっていることを確認し、空気を全部絞ってしまいます。
この時、ストーブの中の灰は多いほど、熾き火は長持ちしやすくなります。
熾きといっても、空気を絞ってしまうとかなり長持ちし、結構朝までストーブが暖かいままで保たれます。
私はだいたいこの方法で朝まで火をもたせています。
寝るときに「熾き」にまでならなかった場合は、空気を全部絞るのではなく、少し開けてみたりしますが、この場合、その空気の絞り加減がとても難しくなります。
失敗するとガラスが真っ黒‥。あるいは、空気量が多すぎて火が消えてしまっています‥。
ちなみに、我が家のストーブはエバーバーン方式という二次燃焼室で煙を再燃焼させる方法ですが、触媒をもつ機種ならば、より低温で二次燃焼させることが出来るため、更に火持ちが良いとも聞いております。
また、使ったことがないのであまり言うことも出来ないのですが、クリーンバーン方式の方が火持ちについては少々不利とも聞いたことがあります。
でも、車やバイクと全く同じで、要はオーナーが自分のストーブを使いこなす「ウデ」があればどうにでもなってしまうようです。
「燃焼の理論を考えながら、炎を操り、薪ストーブを使いこなす‥。」
これがまた、いかにもアナログ的で、薪ストーブの魅力といえると思います!