飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

苦しまぎれ旋回理論 その13

2015-11-24 21:31:19 | ハング(hangglider)
ながながと連載を続けましたこのシリーズ。

今回でとりあえず最後と致します。

初回から読んで頂ければ分かると思いますが、結局私たちはハンググライダーのことについてまだ何も分かっていないのでは?というのが私の導き出

した結論です!

飛行機が飛ぶ揚力の理論についても、「偉い人がそう言ったから…。」という理由で、私たちは100年もベルヌーイの定理で飛行機はとんでいると騙

されて続けていました。

ハンググライダーの旋回理論についても、私はずっとだまされ続けているとしか思えないんです…。

さんざん考えたあげく私が導き出したのが、今回ご紹介させていただいたビロー失速説だったわけです。

これも正直当たっているかどうかも疑わしいのですが、少なくとも今までの説よりは現実味があるのでは?と考えています。

そして、一応この新しいビロー失速説を使うことにより、今まで謎だったハンググライダーの動き、挙動などが一通り説明出来てしまいました。


あとはこの説が正しいかどうか実際に検証してみるべきなのですが…。

実は私には時間がないのです!

おかげさまで順調に業務を進めてこられた結果、私もそれなりの仕事を現在抱え込んでしまい、既に私自身が飛ぶことは難しい状況です。

ハンググライダーの旋回理論を解き明かすことが「仕事」であれば、お金をかけて調査するのですが、それを行ったとしても私にはなんのメリットもないのです。

ですから、これについては是非メーカーさんで真剣に考えて調査していただきたいんです。

既に40年以上も「ハンググライダーはなぜ旋回出来るか?」ということについてはうやむやにされてきています。

もういい加減この問題についてちゃんと考えるべきではないでしょうか?



現在のハンググライダーは既に10年ほど前にその性能はほぼ「頭打ち」となりました。

この理由は、革新的な技術が現れなくなったからであり、キングポストレス、リブ、トランスバースバテンと次々出てきた新技術に続く次の新しい技術が現れなくなったからです。

このような現状を打破するためには、今一度基本的なハンググライダーはなぜ旋回出来るか?という問題について取り組んでみる必要があると思います。


具体的には、もし今回私が公表したビロー失速説が正しかったなら、翼のビローのかたちを理想的にすべくメインセールのカットの形状を見直してみても面白いと思います。

旋回の理論が分かればそれは簡単に導き出せ、すぐに成し遂げられるはずです。

このような新しい試みは、競技機はより高性能へ、そして、初級機はより扱いやすいものへと変えてくれるはずです。


今回連載しましたこの記事ですが、私は時間が出来たらかなり怪しくたどたどしくなると思いますが、英訳して各ハンググライダーメーカーに送ろうと考えています。

また、どなたか私の説に賛同してくださる方がいらっしゃいましたら、その方が先に公表していただいてもかまいません。

とにかく現状を打破するためにも、今回私が公表したことをより多くの方に知って頂きたいと思います。

この連載すべてについては、御自由にコピペするなり翻訳ソフトを通すなり、どうぞご好きに使ってください!

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

苦しまぎれ旋回理論 その12

2015-11-16 22:49:50 | ハング(hangglider)
随分ブログをほったらかしにしてしまい申し訳ございません!

多忙のため手をつけることが出来ませんでした…。

お仕事がいっぱいあることに感謝しなければいけませんね!


さて、前回での予告通り今回では「ハンググライダーの浮きの違いは何故おこるのか?」について考えてみたいと思います。

例によって、この疑問についても私は例の「ビロー失速説」を使って説明する一つの仮説を持っています…。

まあ、どのくらいあてに出来るかは自分でも疑問ですが、飽くまで一つの「仮説」としてちょっとお付き合いください。



ハンググライダーは同じサーマルの中にいながら、明らかに機体によって上昇率の性能の違いを感じることがあります。

それは単純に翼面荷重の違いによるものだけではなく、明らかにグライダーの特性として感じ取ることが出来ます。


一般的には、このサーマル内での上昇率の違いを「浮き」という言葉で表していますが、同じような翼面積、同じような形

のハンググライダーなのにどうしてこの「浮き」の違いが出てしまうのか…。

これが今までどうにもよく分からなかったのです…。が、これをビロー失速説を使って説明出来るのではないか?わたしはそう考えました。



まず、浮きの悪いグライダーはどんなグライダーか考えてみると、実は私の経験の範囲ではすべてのグライダーにおいて「食い込みが

大きい」
という特性を持っていました。

「食い込み」とは旋回中のバンク角の食い込みのことであり、グライダーによって旋回中にバンク角がどんどん深くなろうとする特性をもった

ものが存在します。

これはパイロットにとっては実に嫌な特性で、センタリング中常にハイサイド…、つまり外側に体重移動し続けていないと沈下速度を押さえた

効率の良いセンタリングが実現できず、体力を無駄に消耗してしまうもので、一般的には上級機なるほどこの特性は強く出がちになってしまい

ます。

で、反対に「食い込み」が少ないグライダーはどのような機体かというと、初級機や出来の良い上級機などがありますが、このようなグライ

ダーはだいたいにおいて「浮き」の性能も良いと思うのです…。

そこでこれらの関連について考えている内に、私の頭の中である仮説が浮かんできました。

それは、食い込みの大きいグライダーにおいて、そのセンタリングの際には、ハイサイドの姿勢を保つことは、同時に外側の翼に失速

状態を作っているのではないか?
そう思えてきたのです。




つまりはこういうことなんです。

ビロー失速説による旋回においては、体重移動した方の翼の根本付近が失速することにより、抵抗が増えてヨーの力が発生しそちらに旋回する

という説明をしました。

食い込みの大きいグライダーの旋回動作では、バンクがどんどん大きくなってしまうため、逆側にあて舵を打つ必要があり、ハイサイドつまり

旋回方向の逆側に体重を乗せるわけです。

そして、この時にあて舵を打った方、つまり、旋回外側の翼の根本にも失速が起こり、外側の翼の抵抗が増えて、結果ハンググライ

ダーはバランスが取れてキレイな旋回が出来るのではないか?
という説なんです。

つまり、バンクが食い込む特性を持つグライダーは、ハイサイドによるあて舵を打つ動作により、そうでないグライダーに比べ余計に

翼に失速する領域を作り出してしまい、結果その分揚力の損失を生むため「浮き」が悪くなっているのではないか…。


私にはそう思えてきたのです。

もちろんグライダー個々により「浮き」の性能が違ってくる理由として、他にも旋回中のロールとヨーのバランスなどが崩れて横滑りに入る

コーディネートがとれてない旋回によるものなども考えられますが、私はその要因だけではなく、上記の要因もあるのではないか?と、考え

ているのです。

(ちなみに、バンクの食い込みそのものも、実は「ビロー失速」によるものではないか?という疑いも持っています。つまり、食い込みの発生

するグライダーは内側の翼も失速しているため、バンクがどんどん食い込んでいくのではないか?というも

のです)



10年前にある雑誌社の協力を得て、飛行中のハンググライダーの翼の空気の流れを撮影したことがありましたが、この時はそこまで考えていな

かったため、上記のような連続した旋回での空気の流れまでは見ていませんでした。

何とか再びチェックしてみたいものです…。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする