飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

新ハーネスの開発! その2

2021-02-24 21:20:26 | ハーネス(HG harness)
ただいま弊社は新ハーネスを開発しています!

今回はその2回目ですが、新しく開発したピッチアジャスターをご紹介いたしましょう!


今回開発しているハーネスは、実は2タイプ準備しています。

一つは今までのEXEハーネスの定番であるダブルバックプレートタイプ。

で、もう一つのタイプが、スイッチ式のピッチアジャスターを持ったシングルバックプレートタイプ。

これは、今まであったシングルバックプレートのコンペハーネス(よくケツスイッチと言われるもの)とおおむね同じものなのですが、

実はピッチアジャスターが大きく進化したものが使用されています。

今までのケツスイッチタイプのハーネスは、カムクリートを使い、それによりベルトを任意の場所にロックしてパイロットのピッチ角を変

更していました。


しかし、この方法では、大きな欠点が生じていました。

一つはカムクリートのかみ合わせでベルトが擦り切れてしまい、寿命が短かったこと。

第二に

消耗したベルトの交換が、オーナーではほぼ不可能で、いちいち業者に送って修理するしかなかったこと

更に

上記の理由や、部品が多かったことにより、信頼性が低かったこと。

これらの欠点を持っていました。

私は上記の欠点は、正直、競技などの過酷な条件の中では好ましくないものと考え、このカムクリートを使用したハーネスは作る気がしま

せんでした…。


で…。私がやるとどうなるか…。

これです!



カムクリートを使用せず、ベルトも使用せず、ロープとピッチアジャスターとショックコードだけの非常にシンプルなシステムを開発しま

した!


このシステムの要は、なんといってもこのピッチアジャスターです!



このピッチアジャスターは弊社EXEにて自主開発し、そして、自前の工場で製造したものなのです!

このピッチアジャスターを分解すると…。



4つの部品に分けることができます。

左からスプリング、ピストン部、シリンダー部、そして、押金部になります。

で、どのようにこれが動作して、ロープをロックするのかというと…。

まず、スイッチ部を押すことにより、下の写真のように「穴」が生じるため、この時にロープがスライドして、任意の場所まで移動しま

す。




そして、ロープが好みの場所まで移動したときに、押金部を押すことをやめると…。



このようにスプリングの力で穴がずれる…。つまり、中を通っているロープを挟み込んでロックしてしまうという機構になっています。

この新機構の長所は。

部品数が少ないため、トラブルが起こりにくい。

消耗部であるロープも、交換が容易で、しかも、そのロープも適当なものでも大丈夫。

と、信頼性、および、メンテナンス性に優れたものになることです。

欠点としては、

ピッチアジャスター部を作るのに、技術と設備が必要。

があるのですが、これについては弊社の技術力にてクリアできました!

すでにこの新方式のピッチアジャスターは、4年ほどの実用テストをしていますが、まったくトラブルが起こって

いません!


競技用ハーネスは、先にも述べたように過酷な条件で使われるため、とにかく故障が起こらないようにしなければ

なりません。


そして、たとえ故障したとしても、現場で修理ができることが重要です。

あのF-15戦闘機も、ホームセンターで手に入る工具で、主だった場所の分解が可能です。

そのくらいでないと、実戦で使えるものにはならないのです。

弊社新ハーネスもこれと同じ考え…。

凝った作りなんて、結局は使いずらいだけなので、できるだけシンプルな構造にしました!






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新ハーネスの開発!

2021-02-17 20:31:39 | ハーネス(HG harness)
ただいま新ハーネスを開発しています!

今回からこのブログで、この新ハーネスの画期的な工夫をいくつかご紹介していきます!

まず今回は、新ハーネスの最も目玉となるRPS機構から!!


今までのハーネスは、下図のようなバックプレートが持たされていました。



しかし、このようなバックプレートの場合、どうしても肩に負担がかかり、疲れやすいハーネスになってしまうん

です…。


かと言って、バックプレートを伸ばすと…。



今度は、テイクオフやランディング時など体を起こしたとき…。



体が下に下がるので、バックプレートが頭にぶつかってしまうんです!

このような理由があったため、ハーネスメーカーは、バックプレートが頭にぶつからないように、ギリギリまでバックプレートを前まで伸ば

していたのですが…。

だったら、バックプレートの前部分が伸び縮みすればいいじゃん!



これが、弊社が開発したRPS(リトラクタブル プレート システム)の発想です!

具体的には下のようなものになります。



この新システム。昨年よりテストを繰り返していますが、大変調子が良い!!

今までのハーネスより、格段に肩の負担がなくなり、疲れなくなりました!

しかも…。

伸びてくるプレート部分はショックコードで引き込む構造になっているため、パイロットは今まで通り、普通に飛んでいれば、プレートが必要な時

に勝手に短くなってしまいます!

あまりに優秀なシステムだったので、即、新ハーネスに採用となったわけです。

この新システムは、オプション設定とする予定ですが、私としては是非お勧めしていきたいものです。



ただいま開発中の新ハーネスでは、他にもいろいろ新しいものが取り入れられていますので、順次ご紹介していきますね!
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