飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

テストフライトにお邪魔させていただきました!

2016-06-23 09:34:28 | 自作飛行機(homebuild airplane )

先日、筑波大学、早稲田大学の人力飛行機のテストフライトにお邪魔させていただきました!

人力飛行機のテストフライトは朝一番!風のないときに行われます。

かなり朝が早いので、私は前日夜より現地にて車中泊していました…。



人力飛行機の飛行準備にはかなりの時間がかかります。

皆さん、暗いうちから機体を組み立てたり等、テストフライトの準備を一生懸命されておられました。

この日は幸い天候も良く、問題なくテストが進行していきました。



今回の2チームは両方とも鳥人間大会の「タイムトライアル部門」参加の機体。

タイムトライアルとは、500メートル先のターンポイントを回っていかに早く戻ってこれるか、そのタイムを競う部門です。


言葉でいうのは簡単なんですが…。

人力飛行機はただ飛んでるだけでも目いっぱいの乗り物。

これを旋回させることは実はとんでもなく難しいことなのです!

一般の飛行機にはエルロン(補助翼)というものがあり、これで機体をバンクさせて旋回します。

しかし、人力飛行機では翼が極めて弱いため、エルロンを使うといとも簡単に翼がねじれてしまい、エルロンリバーサルという思い
通りに旋回出来ない厄介な現象が起こってしまうのです!


そのため、普通の飛行機で使う方法が通用しないのです。

この問題をどう解決するか?

それがタイムトライアル部門の大半を占めていると言っても過言ではないくらいなのです。

今回の2機はそれぞれこの問題に対し、まったく違う手段で臨んでおられました。



テストフライトは緊張の中進められ、順調に貴重なデータがとられていきます。

皆さん緊迫しながらも、お互いに気を使われ、とても統率が取られた中進められます。

その動きは、何代も受け継がれてきた各大学の鳥人間部の方たちのノウハウが蓄積されているため、見ていても無駄や不足を感じることはありません。

完成された体制だと感じました。



人力飛行機が作られて行く段階で、学生の皆さんは多くのことを学んでいきます。

実はこうして実際に困難なものにチャレンジしていった学生の皆さんの経験が、今の日本の社会に少なからず影響していることを皆さんはご存知でしょうか?

例えば、日本の宇宙飛行士になられた方の中に、既に鳥人間大会の経験者が2名もいらっしゃいます。

その他にも、鳥人間大会で極限的な設計を学ばれた方の多くが社会の第一線で現在活躍されています。

私は、このことは注目すべき事実だと思います。

先日某大学のチームリーダーが私に話してくれた一言…。

「学校で習うCADなんかを使った設計についての授業。あんなので実際にモノが作れるわけがない!実際にトライして失敗して学ぶべき!」

この一言は、正直私、とても感動してしまいました。

まさに最も大事なことを言っていると思います。


鳥人間は各大学間がとても仲が良く、お互いの情報を交換しながら更に高い性能を持つ飛行機を作ろうと努力しています。

これだけ一生懸命になっている学生さんたちが、更にお互いの意見を交換しながら切磋琢磨している…。

近い将来、きっと素晴らしい飛行機が出来上がることでしょう。


ちなみに、今年の鳥人間大会は7月30日31日の2日間、琵琶湖の松原水泳場で行われます!



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どんな形の飛行機でも飛ぶんです! その3

2016-06-11 09:46:50 | 自作飛行機(homebuild airplane )
前回ご説明できなかった、飛行機の自立安定性のなかのピッチについて、今回ご説明いたします。

前回で、飛行機の自立安定性の中でロールとヨーについてはご理解いただけたと思います。

残りはピッチですが、これについてもとても単純でわかりやすい要素で自立安定性を持たせることができます。

それは…。

下図をご覧ください!



この図は飛行機の翼の取り付け角を表したものなんですが…。

前の翼と後ろの翼、この双方の角度の関係が、浅い「逆ハの字」になっていればピッチの自立安定性が生まれます!

この角度の関係は、相対的にこうなっていればよく、片方の取り付け角が機体の基準線に対して0度の取り付け角でも、もう片方で逆ハの字を形成できる取り付け角ならば問題ありません。

詳しい理論については割愛しますが、飛行機の翼はこの角度の関係があり…。

前後の翼の面積がそれなりにあり…。

ある程度重心位置があっている…。

これらの要素が揃っていれば、ピッチの自立安定が保てたまま空を飛ぶことができるんです!


具体的に、飛行機には様々な形のものがあるんですが、それらはすべて上に述べる「逆ハの字」の法則が成立しているんです。



上の図のように、通常型の飛行機、先尾翼機、無尾翼機 すべてがそのようになっています。

つまり、これら以外の奇想天外な形の飛行機を作ろうとした場合でも、この法則を守ればちゃんとピッチの自立安定性を作り出すことができるんです!



前回からの自立安定性の話をまとめてみますと…。

ロールの自立安定性のために、上反角、あるいは後退角がある。

ヨーの自立安定性のために垂直尾翼、あるいは、重心位置より後ろの抵抗が大きくなっている。

ピッチの自立安定性のために、前後の翼の取り付け角が「逆ハの字」になっている。

たったこれだけで、飛行機はピッチ、ロール、ヨーの3軸すべての自立安定性を持つことができ、空を飛ぶことが可能になるんです!

どうです?飛行機って小難しい理論で飛んでいる!って思いがちなんですが、実は極めて単純な原則さえ守っていれば、自由な発想でデザインしてもちゃんと飛ぶものができるんです。




…。

さて、空を飛ぶものの自立安定性についてお話ししましたが、実は最近この法則にしたがっていない飛行体が社会に注目されています。

それが…。

ドローンなんです。



ドローンは実は上記でご説明した自立安定を、すべてセンサーとコンピュータでまかなっています。

ドローンには通常4つ程度のローターがあります。

現在の進化した、ジャイロやGPSなどで姿勢や位置を検出し、それをコンピュータが計算し、複数あるローターを個々に細かく制御して飛んでしまう…。つまり、自立安定性をすべて電子制御で行ってしまっています。


ドローンまではいかないにしても、コンピュータがこれだけ進化した現在、通常の飛行機でもかなりドローンと同じように自立安定性の電子制御化が進んできているようです。

つまり、もともと持っていた自立安定性をコンピュータが助ける形で、今までよりも飛行機が高性能化しているという言い方もできると思います。



さて、ちょっと話が脱線しそうなんですが、上に出てきたドローン。

現在はすべてを電気の力で飛行している関係で、バッテリーの消耗が激しく、長時間飛べない欠点があります。

また、電動で空を飛ばせる関係上、その大型化にも限界があります。

でも、これって、単純にエンジンと電気のハイブリットドローンを作れば良いようにも思えるのですが…。

例えば、中央で二重反転のエンジン動力のローターを持ち、その四方に姿勢制御だけを受け持つ電動モーターのローターを持つドローンは作れないのか…。


あるいは、もっと単純に考えて、補助の浮力を得るという意味では、動きの少ない目的で使用するドローンならば、風船をつけるという単純な

手法だけでも大幅に飛行時間が伸ばせるのではないか…。

私は素人なんでよくわからないんですが、これって難しいんですかね…。



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