ハーネスの表皮を作る前に、その工程の中で使う一つの技術について、皆さんにお教えしておきたいものがあります。
それは、ファスナーにスライダーを通す方法です。
一般的には、オープンエンド処理(ジャンバーのファスナーの合口のように、左右のファスナーをあわせられるように金具をつけた処理)を施していないファスナーは、ファスナーに何も金具がついていないため、左右のファスナーがずれないように気をつけながら、スライダーの前側からファスナーをスライダーに差し込んでいって、左右のファスナーをとめていきます。
これは一般的な方法で、不器用な人はいつまでたっても通せないものの、少しなれた人や職人ならば、簡単に通せるものです。
しかし、場合によっては、スライダーの後ろ側からファスナーを通さなければならないケース(例えば、二つのスライダーを背あわせの状態に挿入したり、修理の都合で背後からスライダーを通す必要があったり等)が発生することもあり、そんな場合の方法をお教えします。
尚、この方法は私が考えたもので、ひょっとしたらもっといい方法があるかもしれません。
今回ご紹介する方法では、まず、写真のように、左右のファスナーが段ちがいになるように、つなぎとめます。
これがスライダーの後ろ側からファスナーを通す第一ステップとなります。
ハーネス本体に、パラシュート周りの部品、左側のコンテナ部品を取り付け、パラシュートブライダルラインがつくスイングラインを取り付けます。
このラインは、ポリエステル同士の摩擦断絶を防ぐため、綿を巻いています。
この一枚の綿の効果は絶大で、パラシュートが開いたときの大きな衝撃でも、見事に本体のポリエステルラインを守ってくれます。
取扱説明書の方でも明記していますが、パラシュートを取り付けるときは、とにかく、このラインとパラシュートブライダルラインを出来るだけ絞り込んで、隙間ができないように取り付けてください。
大きな荷重がかかったときの負担が、この辺のほんのわずかに出来た隙間の有無で、結果的に随分違ったものになることが、実際に証明されています。
只今の納期情報。バックオーダー8着。
これからのご注文に関しては、年明け以降になってしまいます。
お待たせしまして、大変申し訳ございません。
この写真は、パラシュートコンテナが取り付く場所をとりましたが、実は、スペース的に全く余裕がないのです。
写真の穴が開いている場所にコンテナが取り付けられますが、脇のカットはギリギリいっぱい。後ろの部分もレッグストラップの取り付け部が、既に干渉している状態です。
脇のカットを前に出せば、脇が窮屈になり、レッグストラップの取り付け部を後ろにずらせば、その分レッグストラップも短くしなければならないため、フライト時、ハーネス内でレッグストラップが張ってしまい、足が上に吊られてしまいます。
つまり、現状パラシュートの形状そのものを変えてもらわなければどうしようもないのです。
このことは、以前、このブログの中でも取り上げましたが、日本ではよく使われている大型パラシュートだと、正直、ハーネス設計に無理が生じてしまいます。
パラシュートがハーネス内部に入り込まない構造にすれば良いという考え方も出来ますが、その場合、パラシュートの出っ張りが非常に目立ってしまいます。
現状として、大きなパラシュートをディーラー様で販売し、そして、パラシュートがでないことを要求してくるという矛盾した要求を満たすために、かなり苦労しています。
単純に、必要以上に大きなパラシュートを販売して頂かなければ、全てが解決するのですが…。