陶芸展レポート その1
ここの所、陶芸教室関連の陶芸展に足を運んでいるのですが、ブログに書くことは考えていませんでした。最初はお付き合いというニュアンスが強かったのですが、この訪問は予想以上に、当方の陶芸に何かヒントを与えてくれました。ということで、今日からちゃんと写真を撮って、ブログに載せます。
撮影機材はFujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm
1)春のほろよい:井上のりこ、丹羽一葉 二人展、(ギャラリー坂:神楽坂)丹羽さんは白金陶芸教室の先生の一人です。
この写真が、お二人の意図を明確に表しているかな? 上段は丹羽先生、下段は井上先生。
井上先生に関しては、上絵で細かい絵を描くのが得意で、全体にあるいは部分的にそれが表現されていることを付け加える必要があるようです。
丹羽先生に関しては、新しい方向として、白無地の方向を打ち出しているので、これを付け加えます。しかし、彼女の本質は、天真爛漫な色にあるわけで、この方向が新方向とは思えないのですが? ほろ酔い状態でどんどん作品を作ってゆくことを期待しています。
これがご本人。手に持っているのは、当方が購入したぐい飲みかな?
次に、白金陶芸教室に置いてあった、案内状を見て、訪ねたのですが。
加藤 委 色絵展 (瑞玉ギャラリー:板橋)
白金陶芸教室の角谷先生のところの生徒ですといっても、加藤先生はハッ?という感じで、 ギョロッとにらまれただけでした。どうも、この瑞玉ギャラリーの御主人と角谷先生がお知り合いで、加藤先生と角谷先生は特にお知り合いではなかったようです。
これが招待状にも載っている、九谷焼の上絵を使った作品です。これは偶然に面白くいった作品のように見受けられます。当方は今上絵でどのような絵を描くかがテーマなので、この方が九谷の上絵をどのように扱っているかが興味あったのです。招待状の文面からは、元々九谷焼の専門家でないプロが突然、九谷焼の上絵を扱った場合はいったいどうなるかが興味あったのです。
瑞玉ギャラリーの御主人とはかなりお話をしました。彼によると、加藤先生は、このようなは白磁の専門家で、九谷上絵は今回が初めてということです。たしかに、このような形に関してはプロフェッショナルです。
これなんかはいいと思います。
これなんかは、一見斬新で、モダンを好む和食のレストランに好まれそうな器です。実際、どこかの料理店の方が、加藤先生と商談中でした。形はしっかりしています。色使いは、どこまでもつか? 一か月か、一年か、十年か?
こう見てくると、彼の九谷上絵の試みはまだこれからですね。ギャラリーの御主人によると、加藤先生は九谷上絵は今回限りと言っているということです。そうでしょう、ちょっとやってみたけど、やっぱり難しいということだと思います。プロですから、まだまだ追いかければちゃんとした物になるのでしょうが。
白磁と染付が専門で、九谷焼上絵をちょっと、混ぜて見たという試みもしているようです。
当方のテーマである上絵の使い方に関しては、あまり参考にはなりませんでしたが、形のクオリティーの重要性に関しては感じるところが大いにありました。形のクオリティーが高ければ、色使いは適当でも、なんとか商品にはなる。
店の御主人に聞いてみました。形重視の場合の絵柄はプラスになるのかマイナスになるのか? 御主人は、形重視の作品は色は好まれない。現場で使いにくく、日本ユーザーの固定概念は色を否定する傾向にある。絵柄中心の九谷焼は別で、これはこれで、出来上がった世界である。どうしても形中心か絵柄中心のいずれかになってしまう。
この加藤先生も結局は、もともとの無地か染付の世界に戻ってしまうのでしょうか? 今回の試みが、一つの武器になってゆくのでしょうか?
当方は最近、とっても悩んでいるのです。形と色のフューズをやらなくてはという強迫概念が四六時中頭を離れない。色で勝負するなら、丹羽先生のような色パターンがいいのか(彼女の場合は、当人も言っているように、模様なので、絵ではないのです)、あるいは当方のような抽象画がいいのか、九谷焼のような具象画がいいのか??
今回、加藤先生の試みから見ると、通常の釉(ウワグスリ)のように九谷焼上絵を使った、大ざっぱな色使いは、なかなか、そのままでは先に進めない。
1、形のクオリティイーは重要だ。これがしっかりしていれば、なんとかなる。形がとれないと、適当な絵柄つかいでは、とうてい商品にならない。
2、色パターンは比較的安全だ。細密画的アプローチも受け入れる方も少なくないだろう。しかし、当方のような抽象画的アプローチは最も難しいのではないか? しかし、それだけユニークになる。と思ってがんばりましょう!
3、商売としては、この商品はonly oneであることを目指さなくては。瀬戸物は100円ショップでなんでもそろえることが出来る。それより見た目が魅力的という売り方で5000円の商品を売るのはとても難しい。<この商品はいままでにない物を提供してくれる>という価値を狙わなくては。<100円ショップでは同じ機能を得ることが出来ない、これしかない>ということを目指さなければ。具体的には企業秘密。
4、いくつもある手持ちのぐい飲みで、いつも手にとるのは数個にすぎない。なぜそれを選ぶのか?と丹羽先生に質問されたのですが、実は、わからない? しかし、こう思う。それが有名な方が作ったか、否かではなく、そこにある<作った方の心>をお酒といっしょに飲むのです。見た目の面白さや、美しさや、斬新さではなく、あるいは芸術性でもなく、そこには、意図してか、否かは関係なく、作家の自然な思いがいつのまにか入り込んでいるのです。それは簡単にポンとできる物ではなく、いろいろな思いの積み重ねに、さらにポンと偶然が重なって、それは出来ると思うのです。
これらの展示会の案内を載せておきます。先入観0で、素人の勝手な意見を書き、すみませんでした。是非、展示会を訪ねて、ご自分の感覚でご判断ください。<春のほろよい>は明日までです。
ここの所、陶芸教室関連の陶芸展に足を運んでいるのですが、ブログに書くことは考えていませんでした。最初はお付き合いというニュアンスが強かったのですが、この訪問は予想以上に、当方の陶芸に何かヒントを与えてくれました。ということで、今日からちゃんと写真を撮って、ブログに載せます。
撮影機材はFujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm
1)春のほろよい:井上のりこ、丹羽一葉 二人展、(ギャラリー坂:神楽坂)丹羽さんは白金陶芸教室の先生の一人です。
この写真が、お二人の意図を明確に表しているかな? 上段は丹羽先生、下段は井上先生。
井上先生に関しては、上絵で細かい絵を描くのが得意で、全体にあるいは部分的にそれが表現されていることを付け加える必要があるようです。
丹羽先生に関しては、新しい方向として、白無地の方向を打ち出しているので、これを付け加えます。しかし、彼女の本質は、天真爛漫な色にあるわけで、この方向が新方向とは思えないのですが? ほろ酔い状態でどんどん作品を作ってゆくことを期待しています。
これがご本人。手に持っているのは、当方が購入したぐい飲みかな?
次に、白金陶芸教室に置いてあった、案内状を見て、訪ねたのですが。
加藤 委 色絵展 (瑞玉ギャラリー:板橋)
白金陶芸教室の角谷先生のところの生徒ですといっても、加藤先生はハッ?という感じで、 ギョロッとにらまれただけでした。どうも、この瑞玉ギャラリーの御主人と角谷先生がお知り合いで、加藤先生と角谷先生は特にお知り合いではなかったようです。
これが招待状にも載っている、九谷焼の上絵を使った作品です。これは偶然に面白くいった作品のように見受けられます。当方は今上絵でどのような絵を描くかがテーマなので、この方が九谷の上絵をどのように扱っているかが興味あったのです。招待状の文面からは、元々九谷焼の専門家でないプロが突然、九谷焼の上絵を扱った場合はいったいどうなるかが興味あったのです。
瑞玉ギャラリーの御主人とはかなりお話をしました。彼によると、加藤先生は、このようなは白磁の専門家で、九谷上絵は今回が初めてということです。たしかに、このような形に関してはプロフェッショナルです。
これなんかはいいと思います。
これなんかは、一見斬新で、モダンを好む和食のレストランに好まれそうな器です。実際、どこかの料理店の方が、加藤先生と商談中でした。形はしっかりしています。色使いは、どこまでもつか? 一か月か、一年か、十年か?
こう見てくると、彼の九谷上絵の試みはまだこれからですね。ギャラリーの御主人によると、加藤先生は九谷上絵は今回限りと言っているということです。そうでしょう、ちょっとやってみたけど、やっぱり難しいということだと思います。プロですから、まだまだ追いかければちゃんとした物になるのでしょうが。
白磁と染付が専門で、九谷焼上絵をちょっと、混ぜて見たという試みもしているようです。
当方のテーマである上絵の使い方に関しては、あまり参考にはなりませんでしたが、形のクオリティーの重要性に関しては感じるところが大いにありました。形のクオリティーが高ければ、色使いは適当でも、なんとか商品にはなる。
店の御主人に聞いてみました。形重視の場合の絵柄はプラスになるのかマイナスになるのか? 御主人は、形重視の作品は色は好まれない。現場で使いにくく、日本ユーザーの固定概念は色を否定する傾向にある。絵柄中心の九谷焼は別で、これはこれで、出来上がった世界である。どうしても形中心か絵柄中心のいずれかになってしまう。
この加藤先生も結局は、もともとの無地か染付の世界に戻ってしまうのでしょうか? 今回の試みが、一つの武器になってゆくのでしょうか?
当方は最近、とっても悩んでいるのです。形と色のフューズをやらなくてはという強迫概念が四六時中頭を離れない。色で勝負するなら、丹羽先生のような色パターンがいいのか(彼女の場合は、当人も言っているように、模様なので、絵ではないのです)、あるいは当方のような抽象画がいいのか、九谷焼のような具象画がいいのか??
今回、加藤先生の試みから見ると、通常の釉(ウワグスリ)のように九谷焼上絵を使った、大ざっぱな色使いは、なかなか、そのままでは先に進めない。
1、形のクオリティイーは重要だ。これがしっかりしていれば、なんとかなる。形がとれないと、適当な絵柄つかいでは、とうてい商品にならない。
2、色パターンは比較的安全だ。細密画的アプローチも受け入れる方も少なくないだろう。しかし、当方のような抽象画的アプローチは最も難しいのではないか? しかし、それだけユニークになる。と思ってがんばりましょう!
3、商売としては、この商品はonly oneであることを目指さなくては。瀬戸物は100円ショップでなんでもそろえることが出来る。それより見た目が魅力的という売り方で5000円の商品を売るのはとても難しい。<この商品はいままでにない物を提供してくれる>という価値を狙わなくては。<100円ショップでは同じ機能を得ることが出来ない、これしかない>ということを目指さなければ。具体的には企業秘密。
4、いくつもある手持ちのぐい飲みで、いつも手にとるのは数個にすぎない。なぜそれを選ぶのか?と丹羽先生に質問されたのですが、実は、わからない? しかし、こう思う。それが有名な方が作ったか、否かではなく、そこにある<作った方の心>をお酒といっしょに飲むのです。見た目の面白さや、美しさや、斬新さではなく、あるいは芸術性でもなく、そこには、意図してか、否かは関係なく、作家の自然な思いがいつのまにか入り込んでいるのです。それは簡単にポンとできる物ではなく、いろいろな思いの積み重ねに、さらにポンと偶然が重なって、それは出来ると思うのです。
これらの展示会の案内を載せておきます。先入観0で、素人の勝手な意見を書き、すみませんでした。是非、展示会を訪ねて、ご自分の感覚でご判断ください。<春のほろよい>は明日までです。