軽のきぬ定家葛の畑道を
キョウチクトウ科の蔓性常緑木本。
山野に自生し、ときに庭木とされる。
茎は地を這い、また気根を出して樹木や岩に絡む。
五月~六月頃、枝先および葉腋に芳香のある白い花を集散花序につける。
のちに淡黄色に変わる。
花冠は五裂し、風車状にねじれる。
式子(しょくし)内親王に恋をした藤原定家が、死後定家葛に生まれ変わり、内親王の墓に絡みついたという伝説からこの名がついた。
古名は柾(まさき)の葛。
畑道に農家の軽自動車が入ってきた。
その畑の垣根に絡みついた定家葛が、びっしりと花をつけていた。
見上ぐれば定家葛の香なりけり