俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

冴返る

2025-02-20 | 俳句・春・時候

 

 

冴返る空を幾度も仰ぎゐて

 

 

 

 

 

 

ようやく春めいてきた頃、また寒さが戻ってくることをいう。

 

 

 

 

 

 

「余寒」「春寒」と同じだが、「冴える」という言葉からは、寒気を感じさせる色や光が鮮やかとなり、より感覚的な表現になる。

 

 

 

 

 

 

再びの寒気により、心身の引き締まるような感覚がよみがえる。

 

 

 

 

 

 

寒い風が吹き、冴返る日となった。

歩いていても幾度も空を見上げて、雲の状態を確かめた。

 

 

 

 

 

用水に沿ふ路は土冴返る

 

 

 

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下萌

2025-02-19 | 俳句・春・植物

 

 

下萌や風まだ荒き川堤

 

 

 

 

 

 

早春、地中から草の芽が萌え出ることをいう。

草萌と同じ意味。

 

 

 

 

 

 

早春には、冬枯れの地面のそこここから萌え出た草の芽を見ることができる。

 

 

 

 

 

 

雪国では、残雪の下から草の新芽が見えると、春の到来を実感する。

 

 

 

 

 

 

川堤に下萌が見られた。

だが、風はまだ荒かった。

 

 

 

 

 

草萌ゆる喉飴口に入れもして

 

 

 

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春の入日

2025-02-18 | 俳句・春・天文

 

 

一万歩超しゐて春の入日かな

 

 

 

 

 

 

春の日はうららかな明るい太陽、その入日をいう。

 

 

 

 

 

 

二月は春といっても依然として寒さが厳しく、日本海側や北日本では豪雪となることもある。

太平洋側では晴れることが多いが、春の日らしくなるのは三月に入ってからであろう。

 

 

 

 

 

 

春の入日には春の一日への愛惜の気持ちがある。

 

 

 

 

 

 

散策で二時間近く歩き、一万歩を超した頃、春の入日となった。

 

 

 

 

 

春入日坂の上より山見えて

 

 

 

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金縷梅(まんさく)

2025-02-17 | 俳句・春・植物

シナマンサク

 

 

まんさくや夕べにも風収まらず

 

 

 

 

 

 

マンサク科の落葉小高木。

日本各地の山野に自生し、庭木にもする。

 

 

 

 

 

 

早春、他の花に先立って花をつける。

花は、線形の縮れた黄色い四つの花弁が特徴。

 

 

 

 

 

 

金縷梅の名は、早春、他に先駆けて「まず咲く」が訛って「まんさく」に、また、紐状の黄色い四弁花が稲穂を思わせ、「豊年満作」につながるからともいわれる。

 

 

 

 

 

 

樹林公園に金縷梅ガ咲いていた。

今日は風が強く吹いていたが、夕べになっても収まらず、金縷梅の花びらを揺らしていた。

 

 

 

アカバナマンサク

 

 

まんさくの前ををみなの走りけり

 

 

 

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魚氷(ひ)に上(のぼ)る

2025-02-16 | 俳句・春・時候

 

 

魚は氷に上りて人は歩くのみ

 

 

 

 

 

 

七十二候の一つ、立春の第三候。

 

 

 

 

 

 

水が温んで、氷の割れ目から魚が氷の上に躍り出る季節をいう。

二月十四日頃から十八日頃までの約五日間に当たる。

 

 

 

 

 

 

一説に、魚が氷に沿って川を遡る意味ともいう。

 

 

 

 

 

 

魚氷に上る季節となり、少し暖かくなった。

そうなると、人は歩くだけである。

 

 

 

 

 

氷に上る魚や川面は木を映し

 

 

 

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