川沿ひの道暮れてきぬ寒雀
寒中は食物が少なくなるので、雀は一層人家の近くに棲む。
寒気を防ぐために全身の羽毛を膨らませている姿をふくら雀という。
寒雀は食用としても薬効があるとされるが、多くはその姿を詠むことが多い。
川沿いの道を歩いていると寒雀の群に出会った。
その時はすでに暮れてきていた。
夕空へ群れ翔ちにけり寒雀
川沿ひの道暮れてきぬ寒雀
寒中は食物が少なくなるので、雀は一層人家の近くに棲む。
寒気を防ぐために全身の羽毛を膨らませている姿をふくら雀という。
寒雀は食用としても薬効があるとされるが、多くはその姿を詠むことが多い。
川沿いの道を歩いていると寒雀の群に出会った。
その時はすでに暮れてきていた。
夕空へ群れ翔ちにけり寒雀
寒雲の光りて富士を隠しけり
凍てついた冬空の雲をいう。
寒雲にはどんよりと垂れこめた雲が多い。
ただ、晴れると積雲や層積雲などの美しい雲が見られることもある。
寒雲が夕日に光っていた。
その輝く雲は富士山を隠してしまった。
寒雲や明日のために夢をもち
水仙や明日見る如く前向きて
ヒガンバナ科の多年草。
地中海沿岸原産。
関東以西の海岸近くに自生するが、観賞用として庭に植えられ、切り花としても用いられる。
葉の間から花茎が伸び、その先に数個の白花を横向きにつける。
花の中心に黄色い副花冠がある。
福井県の越前岬や静岡県伊豆の爪木崎は群生地として有名である。
水仙が咲いていた。
その花は明日を見つめるかのように、しっかりと前を向いていた。
人影のなき水仙に夕日かな
侘助や歩幅崩さず歩ききて
唐椿の一品種。
秀吉が朝鮮出兵をした文禄・慶長の役の際、日本にもたらされたとされる。
花は小振りの一重咲きで、椿よりも気品がある。
古くから茶花として好まれている。
花色は、白、桃、紅など。
花言葉は「控え目」「簡素」。
一定の歩幅を保ちながら歩いてきた。
すると垣根に侘助が咲いていた。
侘助の茶房に休みゐたりけり
久々の山並くきと寒茜
冬の寒い時期に見られる空や自然現象の一種。
具体的には、寒い季節の夕暮れ時に、西の空が茜色に染まる様子を指す。
「寒」は冬の寒さを表し、「茜」は赤みの強い色を指す。
久々に見る山並がくっきりとしていた。
そのバックには寒茜が広がっていた。
寒茜濃しや鴉の翔けゆくも