俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

杜鵑草(ほととぎす)

2009-10-21 | 俳句・秋・植物

タイワンホトトギス

杖突きて老人きたり杜鵑草

ユリ科の多年草。関東以西の湿った林などに自生。観賞用にも栽培される。花の斑点が鳥の「時鳥(ほととぎす)」の胸にある斑点に似ているのでこの名がついた。老人が杖を突きながらやってきて杜鵑草の前に立ち止った。杜鵑草を懐かしむような顔をして見ていた。

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ヤマジノホホトギス



午後の日の音なく差せり杜鵑草


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赤のまんま

2009-10-20 | 俳句・秋・植物


小流れに沿うて歩けり赤のまま

タデ科の一年草で、犬蓼のこと。犬蓼とは役に立たぬ蓼という意味。柳蓼の葉は刺身のつまなどの薬味にされるが、犬蓼の葉には辛みがなく食用にされないため。紅紫色の小さな花が赤飯に似ているので「赤のまんま」と呼ぶ。小流れに沿って径が続いていた。赤のまんまがいたる所に咲いていた。

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野に入れば夕日の中や赤まんま


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2009-10-19 | 俳句・秋・植物


棉の実をひと摘みしてみたかりし

木質化するアオイ科の多年草だが、一年草として栽培。秋に鶏卵大の果実を結び、それが成熟すると三裂して白い綿毛をつけた種子を吐く。これを「棉吹く」という。この棉が繊維に加工される。真っ白な棉の実が生っていた。見るからに綿で、摘んでみたくなった。

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棉吹いて遠くに汽笛聞えけり


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烏瓜

2009-10-18 | 俳句・秋・植物


青空に垂れて真つ赤や烏瓜

ウリ科の蔓性多年草。秋に、木にからんだ蔓から長卵形の実をぶら下げる。実は秋が深まるにつれ、緑色から熟して朱紅色となる。木のてっぺんから烏瓜が下がっていた。まるで青空からぶら下がっているように見えた。実は日差しを受け、鮮やかな紅色であった。

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用水の今も流るや烏瓜


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榠樝(かりん)の実

2009-10-17 | 俳句・秋・植物


空蝉(うつせみ)をつけしままなり榠樝の実

中国原産のバラ科の落葉高木。果実は大きく、いびつな楕円形。晩秋に黄熟し、香りを放つ。果肉は固く、渋くて生ではたべられないが、薄く切って砂糖漬けや果実酒にする。蝉の殻をつけたまま榠樝が大きくなっていた。そこに自然の妙を感じた。空蝉は夏の季語だが、この句の季語は榠樝。

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高々と数得し寺のくわりんかな


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