俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

秋の暮(2)

2009-10-26 | 俳句・秋・時候


六本木ヒルズの見えて秋の暮

『枕草子』には「秋は夕ぐれ」とあり、清少納言も秋の夕暮れにしみじみとした趣を感じていた。芭蕉にも≪此(この)道や行(ゆく)人なしに秋の暮≫という有名な句があり、淋しさの極みを詠った。現代では、雨のそぼ降る中、商店街から見える六本木ヒルズが暮れてゆくところに、秋の夕暮の趣を感じた。

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銭湯の暖簾にゆの字秋の暮


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山樝子(さんざし)の実

2009-10-25 | 俳句・秋・植物


山樝子の実の熟すまま庭園に

バラ科の落葉低木。中国原産。「山査子の花」は春の季語だが、「山査子の実」は秋の季語とはなっていない。秋が深まるにつれ、果実は赤から赤紫へと変化する。枝には大きな刺があり、果実は漢方薬にも使用される。庭園に山査子の実が熟していた。そのままになっているので、下に落ちているものもあった。

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山査子の実や誰彼の忌を修し


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秋の雨

2009-10-24 | 俳句・秋・天文


麻布などそぞろに歩き秋の雨

蕭条と降る秋の冷たい雨をいう。「秋霖」「秋黴雨(あきついり)」は梅雨のように降る秋の長雨。冷たさも加わって、どことなく寂しい気分になる。麻布界隈を歩いた。有名私立の麻布中からは説明会でもあったのか、小学生とその親が傘をさして出てくるところであった。

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秋雨の坂を下りて止り木へ


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2009-10-23 | 俳句・秋・植物


柿照るや径に人の往来あり

カキノキ科の落葉高木。日本の秋の代表的な果物。海外ではKAKIとして通じ、食されている。甘柿と渋柿があり、渋柿は焼酎などで渋を抜くか、干柿にして加工するかして食す。柿がたわわになり、午後の日に照り輝いていた。その下の径を歩いていると、以外にも人の往来があるのには驚いた。

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柿一つ食ひて屈託忘れけり


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秋の蝶(2)

2009-10-22 | 俳句・秋・動物


秋蝶に聞きたくなりぬ蜜の味

秋の蝶は数も減り、ひらひらと所在なく飛び、はかなげである。澄んだ空気の中を飛ぶ姿はいとおしく、美しい。その秋蝶が草花に止まってじっと蜜を吸っている。思わず「蜜は美味しいか」と聞いてみたくなった。

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一本の朽木に執す秋の蝶


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