俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

えごの花

2010-05-26 | 俳句・夏・植物


傘さして野暮用一つえごの花

エゴノキ科の落葉小高木。日本各地の山野に自生。五~六月頃、白い漏斗状の五弁花が長い花柄の先に垂れて咲く。卵型の実の果皮にサポニンが含まれ、口にするとえごいところからこの名がついた。えごの花が咲く頃はよく雨が降る。野暮用で傘をさして出かけると、歩道に張り出してえごの花がたくさん咲いていた。

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ






えご散るやらうじんといふ哀しき語


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石竹

2010-05-25 | 俳句・夏・植物


石竹や白秋生家訪ふてきて

中国原産のナデシコ科の多年草。唐撫子ともいう。高さは三十センチほどで、五~六月頃、茎の頂に紅、白、絞り模様などの五弁花を咲かせる。撫子に似ているが、花は撫子よりも小ぶりで、円形の縁が細かく裂けている。北原白秋の生家を訪ねた。白秋の手による掛軸があったが、優しい流麗な書であった。外に出ると、道には石竹が固まって咲いていた。

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ




舟降りて石竹の花目の当り


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

卯の花腐(くた)し

2010-05-24 | 俳句・夏・天文


バス降りぬ卯の花腐し音のして

陰暦四月を卯の花月ともいい、この頃降り続く霖雨を「卯の花腐(くた)し」という。卯の花を腐らせるという意である。五月雨の別称でもある。毎日降り続く雨も時折勢いを増すことがある。バスを降りた時、音を立てて降っていた。

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ




歩きけり卯の花腐し厭(いと)はずに


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

葉柳

2010-05-23 | 俳句・夏・植物


葉柳の下より滑るどんこ舟

初夏に青々と垂れる葉柳は涼感を呼び目に沁みる。少しの風でも揺れる枝垂柳は、夏らしい趣がある。池や堀に沿って植栽されているのをよく見かける。柳川の葉柳の下からどんこ舟に乗り、滑るようにして出た。柳川らしい風景であった。

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ




城跡の堀を廻りぬ夏柳



葉柳や日の傾きし舫(もや)ひ舟



老人の堀を見てをり夏柳


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

樗(おうち)の花

2010-05-22 | 俳句・夏・植物


花樗舟にばつてう笠似合ひ

センダン科の落葉高木。暖地の海岸近くに自生。五~六月頃、枝先に淡紫色の小花を円錐花序に開く。樗は栴檀の古名。水郷の舟に乗る時は、ばっちょう笠を被る。ばっちょう笠は真竹の皮を編んで作った笠で、これを被ると旅情が生まれる。笠を被って見上げる樗の花は、ひとしお美しかった。

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ




青空に淡き雲なし花樗


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ  人気ブログランキングへ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする