青芒川風受けて歩きけり
イネ科の大型多年草。
手も切れるほどに勢いよく青々と伸びた芒のことをいう。
真っ直ぐ伸びるのに耐えかねて葉先が下がり、丸くこんもりとしたりもする。
川堤には青芒が茂っていた。
青芒を揺らす川風を受けながら歩いた。
遠出また遠のきにけり青芒
青芒川風受けて歩きけり
イネ科の大型多年草。
手も切れるほどに勢いよく青々と伸びた芒のことをいう。
真っ直ぐ伸びるのに耐えかねて葉先が下がり、丸くこんもりとしたりもする。
川堤には青芒が茂っていた。
青芒を揺らす川風を受けながら歩いた。
遠出また遠のきにけり青芒
凌霄や農家の高き生垣に
ノウゼンカズラ科の蔓性落葉低木。
中国原産。
観賞用に庭に植えられる。
茎の所々から根を出して、ほかの樹木などに絡みつき伸びる。
七~八月に橙色の漏斗状の花をつける。
農家の裏の高い生垣に、凌霄の花が咲いていた。
選びたる日陰の道や凌霄花
翡翠の鴉の声を気にしをり
カワセミ科の鳥の総称。
雀の大きさで、腹部が赤褐色。
背面は瑠璃色であるが、玉(ぎょく)の翡翠にも似てきわめて美しい。
嘴は黒くて鋭く長い。
夏、渓流や池沼の杭や木の枝の上から魚を狙い、見つけるや否や急降下して捕らえる。
川の草の茎に翡翠が止まっていた。
その時、烏がしきりに鳴いたのそちらの方を気にして見ていた。
翡翠をひとり占めして見てゐたり
魔女の如蜜を吸ひゐる黒揚羽
蝶は春の季語だが、夏の蝶は大型のものが多く、その代表は揚羽蝶である。
翅の黒い黒揚羽もまた、夏に多くみられる。
本州以南の都市近郊や山地に生息している。
翅は表裏とも黒色で、裏面には後翅外線に赤班が並び、日本産のものには尾状突起がある。
雄には後翅前線に白い帯が見られる。
黒揚羽がアガパンサスの蜜を吸っていた。
その姿が魔女のように見えた。
花替へてまた一心に黒揚羽
青蘆のすつくと夕べ歩きけり
イネ科の大型多年草。
夏に、人の丈を越えるほどに成長し、水辺に青々と茂り、川風に靡く姿は涼し気である。
蘆は、屋根を葺いたり簾にしたりと、人々の生活に役立っている。
夕方、川縁を歩いた。
川辺には、青蘆が丈高くすっくと生えていた。
青蘆の川に入りたくなりにけり