川沿ひのフェンスに絡み藪枯らし
ブドウ科の多年生蔓草。
地上から茎を伸ばし、他の草木に絡みついて生い茂る。
藪を枯らし山林を枯らして繁茂するのでこの名がある。
夏、黄赤色を帯びた小花を群がり咲かせ、秋に小さな漿果を結ぶ。
川沿いにフェンスが設置されている。
そのフェンスに藪枯らしが絡みつき花をつけていた。
雨すぐに上がり貧乏葛かな
川沿ひのフェンスに絡み藪枯らし
ブドウ科の多年生蔓草。
地上から茎を伸ばし、他の草木に絡みついて生い茂る。
藪を枯らし山林を枯らして繁茂するのでこの名がある。
夏、黄赤色を帯びた小花を群がり咲かせ、秋に小さな漿果を結ぶ。
川沿いにフェンスが設置されている。
そのフェンスに藪枯らしが絡みつき花をつけていた。
雨すぐに上がり貧乏葛かな
畑の上(へ)をまづぐるぐると秋燕
秋になって、南方へ帰る燕をいう。
春に南方から渡ってきた燕は子育てを終え、秋の涼しさがます頃、南方へ帰って行く。
その燕を見送る気持ちを感じさせる季語といえる。
数羽の秋燕がまず畑の上をぐるぐると回っていた。
南へ帰る準備をしているようであった。
森の木々風に靡ける帰燕かな
何もなき赤土の畑秋曇
秋の曇った天気のことをいう。
「春陰」に対して「秋陰」ともいう。
移動性高気圧や低気圧の影響を受けて秋の空は変わりやすい。
赤土の畑には何も作物はなかった。
広い畑の上の空は秋曇であった。
秋陰の音なき夕べとはなりぬ
見渡せば雑木山まで芋畑
俳句で「芋」といえば里芋のこと。
サトイモ科の多年草球茎。
東南アジア原産。
山野で自生する山の芋に対して古くから里の田で栽培されてきた。
十月上旬頃地中よりこれを掘り上げて食用とする。
月見の供え物として使用される。
広い芋畑があった。
見渡すと雑木山の下まで続いていた。
夕日透きをり芋の葉の千二千
通る人なき畑道や花カンナ
カンナ科の多年草。
球根で増える。
熱帯原産。
日本には明治末に渡来。
観賞用に栽培されている。
七月頃から秋遅くにかけて、葉の間から花茎を出し、大きな唇形花を開く。
花色は黄、紅、橙色、絞りなどで、いかにも熱帯原産らしく鮮やか。
畑道を歩いたが通る人はいなかった。
ただ、道端に真っ赤なカンナだけが咲いていた。
黄カンナの夕日に濃かり川堤