毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「海と風の宿の風雅なお客」2015年7月3日(金)No.1392

2015-07-03 20:30:02 | がんばろう沖縄

 

 月桃の花咲く海と風の宿には、

一般のホテルとは一味も二味も違うお客が宿泊します。

「金払ってんねん、わしゃ客やねんぞ」といった態度はどのお客さんにも見られません。

それはスタッフとして一番ありがたいことでした。

さらに一歩進んだ「参加型お客」とでも言えそうな人々が、

次々と押し寄せてこの宿を盛り立ててくれるのです。

 

その一人が下の中島さんです。

彼は2月にもこの宿に泊まったのですが、

そのとき、台所の包丁の切れ味が鈍いことがいたく気になったそうで、

この6月に再度宿泊した際には、何とカバンから砥石を取り出し、

台所に行ってシュッシュッと研ぎだすではありませんか。

お蔭様で私は夕食作りがたいへん楽になりました。

その中島さんが、私が宿を離れる何日か前に、

1mほどもある立派な太刀魚を持ってきてくれました。

海と風の宿を発った後、仲間とアパートをシェアして暮らしつつ、

辺野古の座り込みを続ける中島さんは、

釣りを趣味とする風雅な人でもあったのです。

太刀魚など触ったこともない私のために、彼はトントンと手際よく魚をさばき、

切り身にしてくれました。

 この切り身は冷凍され、私が発つ前夜の最後の晩餐に、

「太刀魚のムニエル」としてディナーのメインディッシュになりました。

焼く途中、フライパンの中でプクプクと膨らんだその太刀魚は、

決してお世辞ではなく、私がこれまで食した太刀魚の中で最も美味しかったです。

基本的には素泊まりの宿ですが、

辺野古に駆け付けた長期滞在客のために

夕食を300円で提供していました。

前のスタッフ、ナオコさん&エリカさん親子や、ミドさん&ジョニーご夫婦が

されていたことを私も踏襲したのです。

片づけは全部お客さんがやってくれました。

食事をともにしながらお喋りをするお客さんたちは、あっという間に

打ち解けて交流の輪が広がりました。

ドミトリー(相部屋)2000円、個室3500円で、

晩御飯が300円とは、なかなかいい宿ではありませんか(笑)。

もちろん自炊しても構いません。

下の写真はほぼ食べつくした後のゆんたくでくつろぐお客さんたち。

 

中島さんの身に最近とんでもないことがありましたが、

彼のことですから、きっと何事もなかったかのように

今日も座り込みの後、夜釣りを楽しんでいることでしょう。

私は今度はお客としてこの宿を訪れたいと思っています。

そのときには、辺野古新基地建設が中止されていることを心から願います。

〈海と風の宿〉 沖縄県名護市瀬嵩182(瀬嵩のバス停から徒歩5分)

          予約:090-7162-1953(9時から20時まで)

コメント (10)
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