この9月からまた中国に出稼ぎに行ってきます。
職種は日本語教師です。
私は中国の学生たちが大好きです。
彼女ら・彼らはこちらが胸を打たれるほど一生懸命に勉強するからです。
正直に言うと(以前も書きましたが)、
私は中国の学生たちの打ち込み方を見るまで、
勉学に励むとはどういうことか理解していませんでした。
ほぼ一夜漬けで事足れりと、横着で傲慢で無駄の多い人生を歩んできたのです。
中国で、福沢諭吉の『学問のすゝめ』がすとんと腑に落ちました。
『天は人の上に人を作らず』は平等博愛を謳ったものではなく、
人間の資質の明暗を分けるのは、
ひたすら学問を学んだか、学ばないかによるのだ、と
明治の危機的状況にあって、諭吉は国民に檄を飛ばしました。
今、思考停止状態に甘んじている多くの日本の人たちにも(老いも若きも)、
ぜひ、それぞれの学びの扉を開いてほしいと私は思います。
私も決してエラそうにできる人間ではありませんが、
できるだけ深く知り、できるだけ客観的に事実を把握し、
自分自身の判断と行動の指針にしたいと思っています。
さて、今週の火曜日、
私は5年ぶりにビザを申請しに、阿波座の在大阪中国総領事館に行きました。
地下鉄9番出口を出てすぐのところで
「法輪功弾圧と闘う」黄色い服を着たグループがビラまきをしていました。
ビラによれば、法輪功という宗教団体は江沢民の時代に徹底的に弾圧され始め、
いまだにそれが続いているとのことです。
「江沢民」と聞くだけで(彼ならやりかねない)と思いたくなる私(^_^;)。
しかし、限られた情報だけでは判断できません。
この問題は心の中に?マークをつけたまま、まだしばらく置くしかないというのが
私の現状です。何もかにもが一度に正しく理解できるわけないのです。
領事館のビルに入って、(おっ!)と思いました。
フロアに待合用の椅子が何十脚も並んでいます!
5年前は、ただ床だけで、たくさんの人たちがゴチャゴチャと、でも一応列を為し、
なかには列に割り込むとんでもない大阪弁の兄ちゃんがいたりして、
注意すると「はあ?ずっと並んでたし~」ととぼけるその態度にムカついたものでした。
しかし!今回さらに驚愕したのは、なんと整理券まで発行しているのです。
これで順番抜かし問題は解決です。
どの窓口に行くかで整理券の種類が異なるため、
フロアーに一人案内係兼警備員さんがいて、説明するのに大忙しです。
で、さらに、さらに驚いたのは、警備員も窓口係も、
日本人か、或いは、日本語や日本文化を完璧にマスターした中国人かで、
とお~っても親切!
5年前のつっけんどんさは微塵もありませんでした。
実は私は、十年以上前にもここを訪れたことがあります。
そのとき、窓口は狭く、ガラスだかプラスチックだかの仕切りは曇っていて、
係員はその曇った仕切りの向こうで、
お客さんより高い位置から見下ろしていたのです・・・・・・。
それには本当に呆れ苛立ちましたが、
そんなことも今は歴史上のことになりました。
変われば変わるもんですね。
そんなこんなで、ビザ申請から取得にかかった日数は
驚く速さの3日間!!!
2週間は見ておかなければならなかった近過去から
実に隔世の感ありです。
でも変わらないものもありました。
一つは、広くないフロアで子どもたちがキャーキャー言って駆け回っており、
親も誰も全く注意しないこと。
これは中国では当たり前なので、
私も中国で暮らすと、たちまち慣れて平気でした。
しかし、一年間の日本暮らしの後で、
また私は(ガキども、マナーがなっていないゾ)と
感じる日本的感覚に戻っているのでした。
変わらないことの二つ目は、
領事館前の何でも屋のお店でした。
つぶれもせず、かと言って立派に改築もせず、
非常に不便な階段を登って入らなければならないその店で、
「王致和」ブランドの辣腐乳と粒胡椒を買って帰りました。