海と風の宿には稀に、こんな可愛いお泊り客もいました。
安倍政権が15日、16日に戦争法案を衆議院通過させようとしていると聞き、
このクーデター騒ぎのような日本の状況には心中穏やかでいられません。
しかし、自分にできること以外はできないので、
取りあえずは、沖縄の宿でのスタッフ体験を書き尽くしたいと思います。
大浦湾を前に望み、振り向くとヤンバルの森が迫る
名護市瀬嵩の「海と風の宿」は、
観光シーズンでもないので、客は大方が辺野古・高江に行く人たちでした。
その中で若者二人については先日書きましたが、
他にも、失業したのをきっかけに訪れた30代、40代、
また、定年退職した多くの方がたも辺野古闘争には参加していました。
ところで、中国では定年退職(男60歳、女55歳)以降、
人々が社会参加することは少ないと学生たちから聞いています。
特に女性はほぼあり得ないそうで(笑)、
私が57歳で中国江西省に初めて赴任したときには、
「先生はお婆さんなのに、こんな遠いところまできてえらいですね。」
「中国では先生のようなお婆さんは、毎日孫の面倒見て、
近所の人たちとお喋りして、散歩に行くのが幸せなのです。」
と言われ、ガクッとなったものでした。
その点、日本の『お爺さん・お婆さん』(笑)はかなり違いますね。
類型はあるものの、ワンパターンではありません。
海風に泊まった年配者はその中でも個性的な方が多かったです。
人生の輪郭がはっきりした人たちとでも言っておきましょう。
(私も客ではありませんが、その仲間に入れてもらえるでしょう)。
南極まで旅したバックパッカーでダイバーのチバさん、
この夏もウルムチからチベットの山に向かおうと考えているキサミさん、
ガスコンロまで持参して、いざとなれば野宿もできる出で立ちのZさん、
何人もの男性は二見入口のバス停から4キロ以上の道を
軽々と歩いて宿まで来ました(女性は圧倒的にレンタカーか、バスです)。
南極までロシアの船に乗せてもらって行ったというチバさんは、
辺野古ブルーのメンバーとして、毎月格安航空会社の飛行機でやって来ます。
7月もまた当然のように日焼けした姿を現すことでしょう。
6月、町会長の役目を果たすために地元に戻ったチバさんは、
なんと!海と風の宿にこんなものを送ってくれました。
自分が作ったジャガイモ5種とさやいんげん、ピッコロという小さい胡瓜です。
沖縄とて野菜はそうそう安くありません。
それ以前に、お客さんが泊まった宿に贈り物をしてくれるということ事体、
滅多にないことです。
そういう意味でこのプレゼントは本当に嬉しかったですね。
私はお礼も書かないうちに、
その日の夕食に出し、皆で早速ジャガイモの食べ比べをしてみました。
それぞれ名前も教えてもらっていたのに、今は散逸して見当たりません。
ピンクのが冷めてもやわらかくて美味しかったことだけは覚えています。
さやいんげんは玉ねぎなどと一緒に炒めて、
金城商店のオバアのアドバイス通り、
何かの缶詰(コンビーフ?)だったかで味付けしました。
沖縄料理は、塩、ダシのもと、缶詰でほぼ味付けO.K.です
次のスタッフは全く料理をしないというので、
少し残ったジャガイモは金城商店のオバアにもらっていただきました。
「これ、種イモにして畑で植えてみましょかね」
と、受け取ってくださいました。
来年、金城商店の商品棚には
ちょっと変わったジャガイモが並んでいるかも知れません。