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Brugge Style
249日
本日、ベルギーは世界記録を達成した。ゲント等ではお祝いパーティーが開催されるそうだ。
...無政府状態が249日間続いたことでイラクと並び、その世界記録を祝うんですって。フレー!
今のところ特に治安が乱れることもなく、貨幣価値が暴落することもなく、国民は粛々と生活を続けている。カリスマ性のあるリーダーが登場するとか(そして独裁の道を...)、軍が政権を掌握するとか、暴動が起きて拾集がつかなくなるとか、南北戦争勃発とか、アメリカが介入してくるとか、そんなヤバい状態にはなりそうもない。
先日、こんな記事があった。
チューリッヒ大学がベルリン社会科学研究センターと共同で各国の*民主主義の質を調べ、
「この評価法では「個人の自由の第三者(特に政府)による侵害からの保護」「法の支配」「積極的社会参加」「透明性」「政治参加」「代議制度」「政治的競争」「抑制と均衡のシステム(三権分立)」「民主主義的に決定された事項を実行する能力」の9つの指標を数値化し」(ギガジン1/28の記事)、
そしてベルギーが、デンマーク、フィンランドに続き堂々の3位になったのである。
これは皮肉な結果だ。まさに健全な民主主義が機能しているからこそベルギーには政府がないのだから。
民主主義は、あるバカが「太陽は西から昇る」と言ったとして、そういうバカが多数である限り、「そうそう!太陽は西から昇るよね!」ということにしてしまえ、というシステムだ。
そこではごく少数の賢者が「太陽は東から昇る」と真実を述べたとしてもなんの足しにもならない。
おまけにベルギーの民主主義は、6割のバカグループと4割のバカグループの数のバランスをとるために、少数側に拒否権まで与えるという用意周到ぶりである。
6割のバカが「太陽は西から」、4割のバカが「南から」と主張し合い、多数決の原理で「西から」に決まりそうになっても、4割側が常に拒否権を発動し、結局太陽がどの位置から昇るのかという合意にさえ達することができず、他のもっと剣呑な件も放ったらかし、ただ時間と税金を浪費するのみ...という感じ。
「人民の人民による人民のため」理にかなった結論を得る、ということよりも、誰の意見が通るか、ということだけが重要視され、永遠に何も決まらない。たとえ将来われわれが民主主義よりもさらに優れたシステムを作り出そうとも、それを採用することすらできないかもしれないのだ。
「みんなそれぞれが食べたいものが違っていて、みんなの意見を聞いているためにどの店に行くか何も決まらない」という(ありがちな)状態の方が「強い親父が全部決めてしまう」状態よりもいいということか...この強い親父が賢くないケース、というのがあまりにも歴史上多すぎたためにそうなってしまったんでしょうな...
*民主主義とは「民衆(デーモス)が力(クラトス)によって支配権を得る体制」という意味である。
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