マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

超高層マンション

2006年07月13日 | マンションの管理

大阪に建築中の、54階建て超高層分譲マンション(現在、日本一)について書きました。

今、築30年を迎えるマンションが増える時期を迎えて、建て替えが話題です。 国土交通省は、「建て替え円滑化法」 を4年前に制定しています。

小・中規模の分譲マンションでは、大きい建物に建て替えて、新しく分譲した居室の利益を費用に充てる事が可能です。 ところが、超高層マンションは容積率の制限いっぱいに建てているので、この手は使えません。

最近の超高層マンションは配管をメンテ・交換しやすくした 「スケルトン・インフィル」 という設計方式が主流です。 適切な修繕を施して、建物を長く持たせる、という考え方です。

しかし、何十年も先の大規模修繕で、区分所有者の合意を得られるものでしょうか? 大手メーカーの声として、「50年後なんて考えて売っていません。私、そこまで生きていませんから」 。

区分所有者には、もともと価値観の差があります。 経年により、相続などで権利関係は一層複雑になると予測されます。 売り手だけでは無く、購入者も自分の死後のことまでは関心が無いのかもしれませんが…

超高層マンションについては、従来の管理方式では対応できないと考えます。 管理のあり方を変えていかないと、建物を維持することも危ぶまれます。

更に、前々から書いていますが、「子育てへの悪影響」・「高齢者の孤立化」 など、内包する課題への対応も重要だと思います。