10月9日(土)NHK教育TVのサイエンスZERO 深層崩壊の再放送を
昨日(2010-10-15)視聴しました。印象に残った部分をメモしておきます。
NHKのHPでも要約紹介されています。
ゲスト解説者は宮本邦明筑波大教授とビジュアリストの手塚眞氏でした。
司会は山田賢治氏と安めぐみ氏です。
2009年8月に起きた台湾南部の170軒の小林村での深層崩壊の災害で500人
ほどの貴重な命が奪われた。また、村は丸ごと土砂で埋め尽くされて消失した。
非常にショッキングな映像であった。
小林村でも土石流のハザードマップが作成されており、小学校は高台にあり、
避難場所として最適とされていた。訓練もつい3ヶ月前に実施され、台風警報や、
土石流の注意報も出された。
しかしこのような大規模な深層崩壊の危険性認識はされていなかった。
深層崩壊は時速100Kmで一機に小林村をまるごと飲み込んだのである。
この大規模な土砂災害の原因追求に日本からも専門家が訪問し原因究明をした。
深層崩壊の原因について下記の要素であると解説されていました。
(1)大量の雨が長い期間降ること小林(しょうりん)村の場合3日間で2,000mm
土木研究所の調査では400mm以上の雨で深層崩壊の可能性が高くなる
(2)水に溶けやすいCaCO3を多く含んだ方解石がある地層
(3)岩盤クリープ 地層が湾曲し地層に割れ目ができる
(4)火山性堆積物の多い地層
国土交通省では2010年8月11日に深層崩壊を含む土砂災害に関するハザードMapを
作成し公表されました。
その詳細はこちらのサイト。
今まで安全だと見られていた山が崩壊する「深層崩壊」は新たなテーマになっている。
従来は30度以上の高い勾配をもった山が危険とされていたが深層崩壊では
20度程度の勾配でも上記のような要素があれば危険な地域となる。
表層崩壊(山口県防府市の例)と深層崩壊(台湾の小林村)の違い
について解説があった。
台湾の小林村の原因調査を行った京都大学防災研究所地盤災害研究部門の
千木良雅弘教授は標高1000mのところの僅かな湾曲’に着目。
以前からズレが発生していたのではないかと推測これがいわゆる
岩盤クリープと呼ばれるものである。
さらに方解石を含む岩についても指摘があった。
京都大学の堤大三准教授の研究でゲリラ豪雨より降水量が少なくて長期に降る雨の
ほうが大規模な深層崩壊となる。
上述の深層崩壊推定頻度マップでは中央構造線に沿った地域で
危険度が高いことも解説されていました。
独立行政法人 土木研究所の主任研究員内田太郎氏は航空写真地形図から
岩盤クリープの場所を推定しハザードMapを作成する仕事をされており、
その紹介があった。ボーリング調査に関する話もあった。
2010年9月1日鹿児島県で行われた深層崩壊に関するシンポジウムの紹介。
鹿児島大学農学部下川悦郎教授は 深層崩壊の予兆に関して井戸水の
観測が有効であると発表。(井戸水が枯れると危険)
最後に深層崩壊の災害に備えるために必要なことは、
(1)深層崩壊の起きる危険箇所のリストアップ
(2)被害の範囲の想定
(3)上記に基づく避難場所の設定
(4)住民への周知
以上で番組は締めくくられました。
深層崩壊予測の研究 砂防No.88 2006年10月へのリンク
昨日(2010-10-15)視聴しました。印象に残った部分をメモしておきます。
NHKのHPでも要約紹介されています。
ゲスト解説者は宮本邦明筑波大教授とビジュアリストの手塚眞氏でした。
司会は山田賢治氏と安めぐみ氏です。
2009年8月に起きた台湾南部の170軒の小林村での深層崩壊の災害で500人
ほどの貴重な命が奪われた。また、村は丸ごと土砂で埋め尽くされて消失した。
非常にショッキングな映像であった。
小林村でも土石流のハザードマップが作成されており、小学校は高台にあり、
避難場所として最適とされていた。訓練もつい3ヶ月前に実施され、台風警報や、
土石流の注意報も出された。
しかしこのような大規模な深層崩壊の危険性認識はされていなかった。
深層崩壊は時速100Kmで一機に小林村をまるごと飲み込んだのである。
この大規模な土砂災害の原因追求に日本からも専門家が訪問し原因究明をした。
深層崩壊の原因について下記の要素であると解説されていました。
(1)大量の雨が長い期間降ること小林(しょうりん)村の場合3日間で2,000mm
土木研究所の調査では400mm以上の雨で深層崩壊の可能性が高くなる
(2)水に溶けやすいCaCO3を多く含んだ方解石がある地層
(3)岩盤クリープ 地層が湾曲し地層に割れ目ができる
(4)火山性堆積物の多い地層
国土交通省では2010年8月11日に深層崩壊を含む土砂災害に関するハザードMapを
作成し公表されました。
その詳細はこちらのサイト。
今まで安全だと見られていた山が崩壊する「深層崩壊」は新たなテーマになっている。
従来は30度以上の高い勾配をもった山が危険とされていたが深層崩壊では
20度程度の勾配でも上記のような要素があれば危険な地域となる。
表層崩壊(山口県防府市の例)と深層崩壊(台湾の小林村)の違い
について解説があった。
台湾の小林村の原因調査を行った京都大学防災研究所地盤災害研究部門の
千木良雅弘教授は標高1000mのところの僅かな湾曲’に着目。
以前からズレが発生していたのではないかと推測これがいわゆる
岩盤クリープと呼ばれるものである。
さらに方解石を含む岩についても指摘があった。
京都大学の堤大三准教授の研究でゲリラ豪雨より降水量が少なくて長期に降る雨の
ほうが大規模な深層崩壊となる。
上述の深層崩壊推定頻度マップでは中央構造線に沿った地域で
危険度が高いことも解説されていました。
独立行政法人 土木研究所の主任研究員内田太郎氏は航空写真地形図から
岩盤クリープの場所を推定しハザードMapを作成する仕事をされており、
その紹介があった。ボーリング調査に関する話もあった。
2010年9月1日鹿児島県で行われた深層崩壊に関するシンポジウムの紹介。
鹿児島大学農学部下川悦郎教授は 深層崩壊の予兆に関して井戸水の
観測が有効であると発表。(井戸水が枯れると危険)
最後に深層崩壊の災害に備えるために必要なことは、
(1)深層崩壊の起きる危険箇所のリストアップ
(2)被害の範囲の想定
(3)上記に基づく避難場所の設定
(4)住民への周知
以上で番組は締めくくられました。
深層崩壊予測の研究 砂防No.88 2006年10月へのリンク