NASAの冥王星探査機「
ニューホライズンズ New Horizons」が9年前の2006年に
打ち上げられて順調に飛行しており、
7月14日、冥王星(Pluto)に最接近
します。
「ニューホライズンズ」が撮影した冥王星と衛星カロンCharonのカラー画像が
4月に公開され下記サイトで紹介されました。
http://uchu2ch.blog.fc2.com/blog-entry-1451.html
最新情報ではForbesの記事(下記)も面白い
http://www.forbes.com/sites/bridaineparnell/2015/06/23/new-horizons-sees-mysterious-dark-patch-on-plutos-moon/
動画で見たい場合はこちらで
http://www.csmonitor.com/Science/2015/0622/Pluto-s-first-movies-show-planet-in-orbital-dance-with-its-moon-video
2001年にはカロン=Charon以外に新たに「ニクス=Nix」「ヒドラ=Hydra」
「ケルベロス=Kerberos」「ステュクス=Styx」
という4つの衛星が発見されました。
上の写真は冥王星のカロンを含めた5つの衛星の軌道とニューホライズンズが
通過する位置を示したものです。
出典:2015年5月31日NHK Eテレで再放送の
サイエンスZEROの番組より
(2015-3-8放送の再放送)
上の写真は2015年7月15日の読売テレビのミヤネ屋の放送からで
米国の探査機「New horizons」が冥王星=Plutoに最接近した時刻は日本時間の
2015年7月14日午後8時49分で、冥王星まで約1万2500Kmの距離に
近づいた。その前後は、集中的に観測を行うため地球に向けた電波の発信を
止めており、成否は不明だった。探査機は、冥王星を通過後に発信を再開。
日本時間の15日午前9時52分、管制を担当している米ジョンズホプキンス大
の応用物理学研究所に電波が届いた。
その瞬間、同研究所は大歓声と拍手に包まれた。
上の写真はNASA提供の冥王星の画像です。
「New horizons」から発信された電波が地球に届くのに4.5時間かかるそうです。
今回のデータがすべて揃うのは1年以上先になるとの事、今後の成果を見守りたい
と思っています。
2015年7月14日までの観測でNix と Hydraの直径が 30~ 50 Kmであることが
確認された。
さらに詳細は
こちら
上の写真は2015年5月31日NHK Eテレで再放送のサイエンスZEROの番組より
ニューホライズンズがとらえた冥王星の衛星たちを紹介したサイト
http://www.astroarts.co.jp/news/2015/05/15newhorizons/index-j.shtml
2015-6-18 31,000,000Km 離れた上空からとらえた冥王星ノイメージ
LORRI (Long Range Reconnaissance Imager)モノクロ望遠カメラによる撮影
http://astronomynow.com/2015/06/24/new-horizons-sees-plutos-close-approach-hemisphere-and-charons-dark-pole/
今回7月14日12,500Kmまで接近し観測される結果、得られるものを整理すると
1)冥王星の大気の有無
2)冥王星の表面の様子
亀裂、クレーターの存在。有機物の存在で色鮮やかか?
土星の衛星エンケラドスのような間欠泉があるかどうか
3)上記の他の衛星がないかどうか
4)46億年前の原始太陽系の姿がどうであったか?推測
5)海王星の衛星トリトンとの類似性?
その他 冥王星にあると推察されている物質 N,CO,CH4の存在の確認
冥王星の表面の氷の層の下に海が存在しているかどうか?
冥王星の核を形成している放射性物質 U238やK40の確認
冥王星の基本情報
分類:準惑星 dwarf planet
発見者:Clyde W. Tombaugh 発見日:1930-2-18
直径:2,390Km 表面温度:-230~-210°C 太陽との距離:59億Km
平均軌道速度:4.7Km/秒
NASAのNew Horizonsのミッションはライブで冥王星と衛星カロンの映像を
下記サイトで提供しています。
http://pluto.jhuapl.edu/
NASAの冥王星探査について解説したサイト(下記)
http://spacesite.biz/pluto.newhorizons.htm
上の写真は冥王星の構造(推定)と推定者
2015年5月31日NHK Eテレで再放送のサイエンスZEROの番組より
上の写真はNew Horizonsの観測研究拠点
米国のジョンズ・ホプキンス大学
2015年5月31日NHK Eテレで再放送のサイエンスZEROの番組より
下記サイト(PDF)でニューホライズンズの観測用搭載機器と全体のミッション
を理解できます。
http://pages.jh.edu/~jhumag/1105web/images/pluto.pdf
Wikipediaよりニューホライズンズの観測用搭載機器の解説を引用
搭載機器
Alice
冥王星大気の組成と構造を調べる紫外線イメージングスペクトロメーター
(多波長撮像装置)。
Ralph
マルチスペクトルカメラ(モノクロとカラーの可視光カメラ)。
REX (Radio Science Experiment)
探査機の通信システムと一体の実験装置で、冥王星とカロンの大気の温度・
圧力・密度・温度を測定する。探査機のわずかな軌道変化を測定して、
冥王星、カロン(うまくいけば別の太陽系外縁天体も)の質量を求める。
また、冥王星とカロンによる地球の蝕(地球からの電波が遮られる現象)
の時刻を測定する(これから、冥王星とカロンの正確な大きさがわかる)。
2015年7月14日までの観測の結果
冥王星の直径が2370Kmで、従来考えられていたよりも少しだけ大きい
これまでの推定は直径2280~2400Km
衛星のカロンの直径は従来とほぼ同じ1208Kmと確認されている。
LORRI (Long Range Reconnaissance Imager)
モノクロ望遠カメラ。
SWAP (Solar Wind at Pluto)
太陽風と冥王星の大気との相互作用を調べる。
PEPSSI(ペプシ, Pluto Energetic Particle Spectrometer Science Investigation)
粒子線観測器。冥王星から宇宙空間に逃げ出した大気物質を測定する。
ヴェネチア・バーニー学生微粒子計数器(ヴェネチア (Venetia),
Venetia Burney Student Dust Counter, VBSDC)彗星、小惑星、
外縁天体同士が衝突して出る、微細な塵粒子の個数・速度・質量を計測する。
コロラド大学の学生たちによって設計・製作された。
名称は、1930年、"Pluto"(冥王星の原語)という名を提案したイギリス人女性、
ヴェネチア・バーニー(Venetia Burney, 1919年 - 2009年)にちなんで、
打ち上げ後につけられた
関連サイト
http://moonstation.jp/ja/pex_world/NewHorizons/
natureの記事
http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/64392
関根 康人氏のサイト
http://www.astrobio.k.u-tokyo.ac.jp/sekine/
東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻
アストロバイオロジー、地球惑星システム進化学