12月25日(水)に開催された辺野古新基地建設事業の第3回技術検討会の概要が明かになった(防衛局のHP参照)。
軟弱地盤の地盤改良改良工事が必要になり、県に設計概要変更申請を提出するための検討作業が続いているが、当初の事業計画がほぼ全面的に変更されている。
詳細な資料や議事録が未だ公開されていないので、地盤改良工事の詳細やそれぞれの工法の妥当性等については不明な点が多いが、現時点で分かる範囲でその内容を順次、説明していきたい。
1.辺野古地区地先の埋立は取り止め(本ブログ)
2.県外からの埋立土砂搬入はなくなる可能性
3.地盤改良工事に必要な海砂は全て県内から調達する可能性
4.護岸工事・埋立工事の内容も全面的に変更される
5.外周護岸で仕切る前に先行埋立が行われる ---深刻な汚濁の拡散
6.地盤改良工事の内容も大幅に変更---何故、砂杭の本数が半分に減ったのか?
7.軽量盛土工法とは何か?
8.全体工程についての疑問 --- 「12年」は防衛局の「願望」にすぎない!
9.その他
(以下は公表された「第3回技術検討会 主な検討内容」と、25日の検討会後、防衛局幹部が記者説明した内容による。)
(防衛局の変更計画図)
まず明らかになったのは、辺野古地区地先の埋立は完全に中止となった。防衛局が提出した埋立承認願書では、辺野古漁港周辺(辺野古川河口部・松田ぬ浜)を作業ヤードとするために約4.6ha埋め立てる計画だった。
しかし、今回公表された「主な検討内容」では、現在埋立を続けている辺野古側の埋立区域②、②-1をブロック製作・仮置き等の作業ヤードとするとして、「辺野古地区地先(作業ヤード用)の埋立は不要になったので取り止め」と明記されている(P9)。
辺野古川の氾濫の恐れや環境への影響が危惧され、辺野古区民のハーリーの場である松田ぬ浜の埋立が中止となったことはよかったが、疑問点も多い。
まず、現在でも全体の1%の土砂しか入っておらず、辺野古側の埋立が完了するのは何時になるのか検討もつかない。作業ヤードとして使用できるのははるか先になる。
また、この辺野古地区地先の埋立や美謝川の切り替え問題については名護市の許認可や協議が義務づけられていることから、2014年当時、防衛局は名護市との協議を始めていた。しかし、その後、防衛局からの話は突然、途絶えてしまっている。先日も公文書公開請求のために名護市の担当課を訪問したが、防衛局からはその後、何の協議もないという。
今回の辺野古地区地先の埋立中止についても、名護市との協議もなしに突然、発表されたものと思われる。名護市は抗議すべきであろう。