チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

米議会が大浦湾の軟弱地盤・活断層を懸念、国防長官に改善策の報告を義務付けた!--- 防衛局は変更申請書を撤回し、ただちに工事を中止せよ! ---

2020年06月25日 | 沖縄日記・辺野古

 辺野古新基地建設事業の根本が大きく揺らぎはじめた。アメリカ議会が、大浦湾の軟弱地盤と活断層について強い「懸念」を表明したのである。

 昨日(6月24日・水)、米下院軍事委員会の小委員会が米国防予算の大枠を示す国防権限法案を可決した。そこで、辺野古新基地建設事業に関して大浦湾の軟弱地盤と活断層について「懸念」を表明、国防長官に改善案などを盛り込んだ報告書を本年12月1日までに提出するように義務づけたという。

  この軍事委員会小委員会の決定文は下のとおりである(沖縄県仮訳)。

「軍事委員会は、沖縄県北部の辺野古で現在継続中の普天間代替施設の開発を懸念する。
 軍事委員会はこのプロジェクトに悪影響を及ぼす可能性がある大浦湾の海底での地震の可能性及び不安定性に対する懸念が高まってきたことを指摘する。軍事委員会は、2本の活断層と50mの深海が建設予定地の近くに存在することに注意を促したい。加えて、委員会は、海底の調査が実施された結果、地質学者らがこの開発計画の推進を困難にする問題を特定したものと認識している。
 よって、委員会は、国防総省長官に対し、下院軍事委員会に普天間代替施設に関する報告書を2020年12月1日までに提出するよう指示する。報告書には最低限、以下の事項が含まれなければならない。

① 建設予定地地下のN値の検証結果を含む海底の詳細状況 
② 海底の地盤強化を含む懸念事項に対する改善案 
③ 海洋哺乳類やサンゴを含む環境全体への影響に対する環境計画 
④50mの海溝に関連する活断層及び海底地震の危険性の評価 
⑤ 当該施設の軍事目的に鑑みた海底と地震活動に関する評価」

 まだ小委員会での可決であるから、さらに軍事委員会、上下両院の本会議での審議・可決を経て1本化され大統領の署名を経て成立する。今後、日本政府も必死にこの部分を削除するよう画策するだろう。まだ、決定的な段階に入ったとは言えないが、米議会がこれほどの「懸念」を初めて正式に表明した意味はきわめて大きい。

 防衛局は4月21日、地盤改良工事やそれに伴う護岸・埋立工事の設計変更申請書を提出した。しかし、米議会がこれほど強く「懸念」を表明したのだから、少なくとも12月1日にこの報告書が提出され、その内容が審査されるまでは設計変更申請書をいったん取り下げるべきであろう。県も、「いったん変更申請書を取り下げ、12月以降の動きを見て再提出しなさい」と指示すべきではないか。

 イージスアショア計画撤回以降の自民党議員の中からの「辺野古見直し論」の浮上、そして今回の米議会の動き等、辺野古をめぐる状況は大きく動きつつある。計画を中止に追い込む展望が見えてきたと言えよう。ここが踏ん張りどころだ。

                   (6月25日、雨にかすむ大浦湾)

 

 

 

 

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