防衛局は11月20日、沖縄中部、海中道路の先端に近い宮城島から辺野古への土砂搬出を始めた。鉱山の前では連日、うるま市の方々を中心に抗議行動が続いている。
11月24日のブログでは、土砂を積みだしている中城湾港使用の法的な問題を指摘したが、ここでは鉱山周辺の道路の問題について検証したい。
防衛局の設計変更申請書に添付された土砂に関する図書では、うるま市の2ヵ所の鉱山から最大30万㎥の土砂調達が可能とされている。しかし、手前の沖広鉱山は現在ほとんど作業をしていないので、伊計島に続く県道に面した奥の沖宮鉱山から土砂が調達されている。そのため、土砂流出による海の汚濁や、観光客の多い海中道路の交通への影響等が危惧されている。特に宮城島から先は道路が補足、大型車の離合も難しい。
さらに問題となるのは、鉱山に続く宮城島の道路の一部(与那城桃原~池味、約4.1Km)が、県道ではなく農道なのだ。県道は与那城桃原の少し先から山に入り、島の中央部を通って池味につながるが、今も整備中で通行する車両はほとんどない。大部分の車は、海岸に沿った農道を通っているのだ。
この農道の設計図書を入手したが、舗装厚は「Ⅰー2交通」で設計されている。これは、1日当りの計画大型車交通量が「15台以上、40台未満」という設計に過ぎない。道路幅員も 5.5mでしかない。
11月20日以降、宮城島から中城湾港へは1日に約60台のダンプトラックが出入りしている。辺野古への土砂搬送ダンプだけでも、計画交通量をかなり超えてしまっているのだ。
この農道は県が整備し、その後、うるま市に委譲されており、うるま市が管理している。本来なら、うるま市が道路管理者として、計画交通量を超えるダンプの走行を禁止すべきである。うるま市の担当課長は、「公道なので規制はできない」というが、少なくとも、防衛省、業者、鉱山に対して、計画交通量を超える大型車両を通行させるのであれば、それに見合った舗装厚に改修するよう指示しなければならない。