沖縄平和市民連絡会が、安和桟橋前の死傷事故後の対応について、沖縄県土木建築部長らと意見交換 --- 土建部長も「車両乗入部は歩行者優先」と認める!--- 大量の警備員による歩道封鎖に毅然とした対応を!
昨日(11月14日・木)、沖縄平和市民連絡会は、6月28日、安和で発生した死傷事故後の対応について、沖縄県土木建築部との意見交換を行った。
県は、土建部長の他、統括監、道路管理課長、港湾課長、海岸防災課副参事等が対応、我々は、沖縄平和市民連絡会、本部町島ぐるみ会議の10名が出席した。
以下、事前に提出していた我々の要請書と、当日の県の回答である(県とのやり取りは赤字で記載)。
(2024.11.14 沖縄県土木建築部長らとの意見交換)
<知事宛の要請書>
本年6月28日、国道449号の名護市安和桟橋出口の歩道に設置された車両乗入部で、辺野古新基地建設のための埋立用土砂を運搬するダンプトラックが作業ヤードを出て左折した際、警備員さんと抗議の市民を死傷させるという痛ましい事故が発生しました。
知事は事故直後、沖縄防衛局に対し、事故原因が究明され安全対策がなされるまでの間は、土砂の運搬作業を中止するよう求めました。しかし防衛局は、8月22日、県に対して事故原因・再発防止策の説明もないまま、土砂運搬作業を再開しました。安和桟橋出入口付近にネットフェンスを持った大量の警備員を動員して歩道を長時間封鎖し、市民の通行を阻止した上で、ダンプトラックを次々と搬送させています。そのため、現在は、事故前をはるかに超える1日に1000台以上ものダンプトラックが安和桟橋に出入りしています。
さらに防衛局は、「事故の背景には抗議する市民の妨害行為がある」として、県に対して現場の歩道へのガードレール設置等を求めています。しかし、その後、運転手さんや元警備員さんの証言等で、事故の原因は、防衛局が土砂搬送を急がせるために、警備員にダンプトラックの危険な誘導をさせてきたことにあることが明らかになっています。
そもそも、車両乗入部はあくまでも歩道の一部であり、「歩行者、その他一般の通行に優先して車両乗入部を使用することはできない」(国道交通省中部地方整備局HP等)とされているように、車両乗入部を横断する歩行者がいた場合、車両は待機して待たなければならないのは当然です。大勢の警備員にネットフェンスを持たせて歩道を封鎖したり、ガードレールの設置など、論外です。
土砂搬送が始まった2018年以来、安和桟橋前では30件以上の交通事故が発生しています(沖縄県警への公文書公開請求で判明)。その原因も、ダンプトラックの強引な走行と無関係ではありません。ネットフェンスを持った警備員を大量に動員したり、ガードレールを設置して抗議する市民を排除しても、ダンプトラックの走行が増えれば、交通事故はさらに増加するでしょう。抗議する市民を排除するのではなく、ダンプトラックの強引・危険な走行を止めさせることがまず必要です。
このような立場から、今後の安和桟橋、本部塩川港からの土砂運送作業について、下記のとおり要請します。
本年6月28日、国道449号の名護市安和桟橋出口の歩道に設置された車両乗入部で、辺野古新基地建設のための埋立用土砂を運搬するダンプトラックが作業ヤードを出て左折した際、警備員さんと抗議の市民を死傷させるという痛ましい事故が発生しました。
知事は事故直後、沖縄防衛局に対し、事故原因が究明され安全対策がなされるまでの間は、土砂の運搬作業を中止するよう求めました。しかし防衛局は、8月22日、県に対して事故原因・再発防止策の説明もないまま、土砂運搬作業を再開しました。安和桟橋出入口付近にネットフェンスを持った大量の警備員を動員して歩道を長時間封鎖し、市民の通行を阻止した上で、ダンプトラックを次々と搬送させています。そのため、現在は、事故前をはるかに超える1日に1000台以上ものダンプトラックが安和桟橋に出入りしています。
さらに防衛局は、「事故の背景には抗議する市民の妨害行為がある」として、県に対して現場の歩道へのガードレール設置等を求めています。しかし、その後、運転手さんや元警備員さんの証言等で、事故の原因は、防衛局が土砂搬送を急がせるために、警備員にダンプトラックの危険な誘導をさせてきたことにあることが明らかになっています。
そもそも、車両乗入部はあくまでも歩道の一部であり、「歩行者、その他一般の通行に優先して車両乗入部を使用することはできない」(国道交通省中部地方整備局HP等)とされているように、車両乗入部を横断する歩行者がいた場合、車両は待機して待たなければならないのは当然です。大勢の警備員にネットフェンスを持たせて歩道を封鎖したり、ガードレールの設置など、論外です。
土砂搬送が始まった2018年以来、安和桟橋前では30件以上の交通事故が発生しています(沖縄県警への公文書公開請求で判明)。その原因も、ダンプトラックの強引な走行と無関係ではありません。ネットフェンスを持った警備員を大量に動員したり、ガードレールを設置して抗議する市民を排除しても、ダンプトラックの走行が増えれば、交通事故はさらに増加するでしょう。抗議する市民を排除するのではなく、ダンプトラックの強引・危険な走行を止めさせることがまず必要です。
このような立場から、今後の安和桟橋、本部塩川港からの土砂運送作業について、下記のとおり要請します。
1.防衛局は事故直後の知事の指示を無視して土砂運搬作業を強引に再開した。防衛局に対して、事故原因の究明・再発防止策の説明を終えるまでは、土砂運搬作業を中止するよう再度、指示すること。
<部長冒頭回答>
「8月22日に搬送を再開するという連絡を受けて、県としては、事故の再発防止策が示されないまま再開されることは遺憾であること、今後、同様の事故が発生しないよう安全対策を講じるよう求める知事のコメントを出しました。」
「現在、防衛局との間で、安全対策に関する話し合いを行っています。」
「防衛局に対しては、引き続き安全対策についての回答を求めていきたいと考えています。」
2.防衛局は本年8月22日以降、安和桟橋出入口の歩道部をネットフェンスを持った大勢の警備員で長時間封鎖し、土砂運搬作業を強行している。知事はこの問題について、9月6日の記者会見で、「(桟橋出入口の歩道部を警備員が長時間封鎖していることについて)法的に認められている行為なのか弁護士にも相談し、精査する」と述べているが(2024.9.8 沖縄タイムス)、特定の事業者・警備員が公道を封鎖し、歩行者の通行を阻止することなど許されるはずはない。
防衛局による歩道の封鎖を直ちに中止させること。
2.防衛局は本年8月22日以降、安和桟橋出入口の歩道部をネットフェンスを持った大勢の警備員で長時間封鎖し、土砂運搬作業を強行している。知事はこの問題について、9月6日の記者会見で、「(桟橋出入口の歩道部を警備員が長時間封鎖していることについて)法的に認められている行為なのか弁護士にも相談し、精査する」と述べているが(2024.9.8 沖縄タイムス)、特定の事業者・警備員が公道を封鎖し、歩行者の通行を阻止することなど許されるはずはない。
防衛局による歩道の封鎖を直ちに中止させること。
<部長冒頭回答>
「防衛局から受注の警備会社が、ネットフェンスで長時間歩道を封鎖しているというご指摘ですが、これについては、道路法においては、歩道上にいる歩行者、これは警備の方も含みますが、これらに対する指導を行う法的根拠がないことから、特に指導を行っておりません。」
3.前川土木建築部長は県議会9月定例会で、「沖縄防衛局と安全対策について話し合っている」と答弁した。陳情書の処理概要でも、「国道449号を管轄する北部土木事務所と沖縄防衛局との間で、実務的な話し合いを行っております」と記載している。
安全対策について話し合うのであれば、先ず、防衛局の強引な運送作業再開を中止させてから行うべきではないか。
3.前川土木建築部長は県議会9月定例会で、「沖縄防衛局と安全対策について話し合っている」と答弁した。陳情書の処理概要でも、「国道449号を管轄する北部土木事務所と沖縄防衛局との間で、実務的な話し合いを行っております」と記載している。
安全対策について話し合うのであれば、先ず、防衛局の強引な運送作業再開を中止させてから行うべきではないか。
<部長冒頭回答>
「1と同様ですが、現在、北部土木事務所と県との間で話し合いを持っているところです。」
4.また、前川土木建築部長は県議会9月定例会で、「(車止めのポールの設置について)ある程度歩行者の自由があり、設置の可能性はある」と答弁した(2024.10.5 琉球新報)。しかし、同部長は県議会6月定例会では、「当該箇所は歩道であることからガードレール設置の予定はなく、事業者によるガードパイプの設置は歩行者の横断を制限することなどから、道路法第24条に基づく承認はできない旨を回答した」と答弁していたはずである(2024.7.11 琉球新報)。
県の対応を後退させてはならない。歩道へのガードレール、ガードパイプ、車止めポール等の設置を認めないこと。
<部長冒頭回答>
「安和桟橋前の安全対策については、当然、道路管理者としても対応すべき安全対策があると考えていますが、道路管理者の安全対策といのは、あくまでも通常使用の場合だと考えています。今回の場合のように、通常とは異なる使用の場合は、事業者である防衛局において検討されるべきものと考えています。
「事業者がガードレール等の設置を求めているのは歩道上なので、歩行者の通行を妨げ、歩道本来の目的を阻害するものであることから、道路管理者としてこれらの設置は適切ではないと考えています。」
「ただし車止め等については、歩行者の通行を阻害するものではなく、歩道に車両の進入を禁止し歩行者の安全を守る観点から、事業者の方から相談があれば道路法に基づいた対応を検討していきます。
5.同じく辺野古への土砂・石材を搬送している本部塩川港でも、安和桟橋の事故を受けて、搬送作業は中止された。沖縄県北部土木事務所は、業者からの港湾施設用地使用許可申請に対して、「名護市安和桟橋において事故が発生したことから、港湾施設用地の使用に当たっては、当該事故原因が究明され、国による安全対策が講じられるまでの間は、普天間飛行場代替施設建設事業に関連する設備使用を中止すること」という許可条件を付けており、現在に至るまで、土砂・石材の運送事業は再開されていない。
防衛局、業者は、再三にわたって、「(本部塩川港の)港湾施設への立入の禁止」等を求めているが、県は、「港湾施設内を支障の無いように歩行することを規制することはできない」(県議会9月定例会の陳情の処理概要)として、立入禁止には同意していない。
今回、始まったという北部土木事務所と防衛局との安全対策についての話し合いは、本部塩川港の問題についても協議しているのか。本部塩川港からの搬送作業再開に同意しないこと、また、再開にあたっては立入禁止措置を講じられることのないよう要請する。
<部長冒頭回答>
「防衛局と県との話し合いは、安和の安全対策と合わせて、塩川港の安全対策についても協議しています。塩川港における普天間代替施設移設事業に関する設備使用については、許可条件を満たしているかどうかを確認した上で-- 処理していく必要があります。」
「県としては、港湾施設内を支障のないよう歩行することを規制することはできないと考えています。」
<質疑応答>
この部長回答に対して、我々は次のように問題点を指摘した。
以下、○は我々、●は県の回答である。
○「 防衛局は知事の指示に反し、事故の原因究明、安全対策が行われていないのに、8月22日から搬送作業を再開した。知事が「遺憾」というコメントを出したが、何故、文書で中止の指示をしないのか?」、「北部土木で防衛局との話し合いをしているというが、話し合いは、まず、搬送作業を中止させてから行うものではないか? 今では、1日に1200台を超えるダンプトラックが出入りしており、事故前より倍増している。」
●「土砂搬送を止める法的根拠はない。但し、事故があったので安全対策を求めている。引き続き、協議しながら、道路管理者として対応していきたい。」
○「警備員がネットフェンスで歩道を長時間封鎖していることに対して、道路法では指導を行う法的根拠がないというが、知事は会見で、『法的に認められる行為なのか弁護士にも相談し、精査する』と言われがが、どうなったのか?」
●「弁護士への法律相談はしている。今後、異なる弁護士にも聞く予定で、精査している。」
○「もう歩道をネットフェンスで封鎖して搬送を再開してから3ケ月近くにもなる。あまりに対応が遅い。」、「これでは、県庁前の県民広場も県道の一部だが、そこで誰かがネットフェンスで封鎖しても止めさせることができないのではないか?」
●「警備員が持っているのと、固定物の場合は異なる。固定されているかどうかです。」
○「現状では、車両乗入部が封鎖されて車両優先となっているが、歩行者優先ではないのか?」
●「車両乗入部には、当然、歩行者も車両も混在する場合があるので、道路管理者としては歩行者が優先です。」(この点については、その後、2回にわたって確認)
○「今では、安和桟橋に、一日に1200台ものダンプトラックが出入りしている。2018年の搬送開始以来、安和桟橋前では30件を超える交通事故が発生している。今後、大浦湾の埋立が始まれば、交通事故はますます増える。今回の死傷事故だけではなく、そもそもあのような場所でどんどんダンプトラックを増やしていることに無理があるのではないか?」
●「台数何台以上は通行を認めないというのは、道路法上、できない。」
この日の意見交換は、おおよそ以上のような内容だった。
特に、土建部長が、車両乗入部は「歩行者優先」であると、3回にわたって確認したことは大きな意味を持つ。その原則で、今後の対応にあたってもらいたい。
<追記>土木建築部が、北部地区の豪雨災害への対応に追われている中で、短い時間だったが、この問題についてい市民との意見交換の場を持っていただいたことには感謝したい。