2月13日(月)、辺野古埋立土砂搬出反対全国連絡協議会が、今年度に計上されている辺野古埋立のための土砂採取・搬出予算を執行しないこと等を求めて、防衛局交渉を行った。阿部悦子共同代表が突然の交通事故で参加できなくなったのは残念だが、奄美大島から来られた大津幸夫共同代表、そして北九州の八記久美子事務局次長をはじめ、愛媛、静岡、そして地元本部や名護の島ぐるみ会議のメンバーら計15名が参加した。糸数慶子、伊波洋一両参議院議員らも立ち会っていただいた。
今日の交渉では、「今年度予算に『埋立土砂の採取・運搬』などに関わる費用として55億円が計上されているが、その内訳を明らかにすること。また、その執行をしないこと」を求めた。さらに、「今年度から3ヶ年で816億円の予算が計上されているが、その内容を明らかにすること」についても追求した。
そもそも、まだ汚濁防止膜のためのコンクリートブロック投下が始まったばかりで、今後3ヶ月ほどかけて投下が終っても、さらに約1年後に最初の部分の護岸工が終了するまで「埋立土砂の採取・運搬」など始まらない。何故、今年度に55億円も予算をつけたのか全く理解できない。これは、埋立本体工事の8種類の護岸工も、着工できるののはまだまだ先なのに、すでに2014年度に全て業者との契約を終えていることと同じだ。契約後、現場の工事が全く始まっていなくても、業者には契約金額の3割ほどの前払金が払われる。埋立本体工事の8種類の護岸工でも、すでに42億円もの前払金が支払われている。ともかく、「辺野古の工事でこれだけのお金を費やした。もう後戻りはできない。知事が承認を撤回すれば、費やした金額の損害賠償を請求するぞ」という脅しなのだ。
計上した予算の根拠を明らかにせよという追求に対しても、防衛局は、「それを明らかにすると公平な入札に支障がある」として説明をしようとしなかった。
奄美大島では、業者が、沖縄に石を運ぶからと言って新しい砕石場の開発を始めているという事実も指摘された。これに対して遠藤防衛局次長は、「そんなことは防衛局は関知しない。どこから土砂を持ってくるかというのは、埋立承認願書に記載したのはあくまでも予定地であって確定したものではない。今後、業者と契約をして始めて場所が決まる」、「外来生物侵入防止対策についても、それからだ」と主張した。
私からは、「埋立承認の際の留意事項には、『埋立に用いる土砂等の採取場所及び採取量を変更する場合は知事の承認を受けること』とある。承認願書に記載した場所が予定地にすぎないというのなら、業者と契約をする前に、当然、知事の承認を得なければならない」と反論した。遠藤次長は、慌てて、「もちろん、留意事項は遵守します」と答えざるを得なかった。
また、事前調査で特定外来生物が見つかった場合の対応策についても追求した。那覇空港の第2滑走路埋立事業では、当初の予定を変更して奄美大島から石材が持ち込まれた。土砂条例に基づき、業者から出された書類には、「特定外来生物はいない」と記載されていたが、県が立入調査したところ、全ての砕石場、搬出港で特定外来生物が発見された。そのため、ダンプトラックに積んだ石材を水で丹念に洗浄する等の対策が指示された。(この経過からも、業者任せの対策ではダメだということが分かる。)
ところが、辺野古の埋立で使用されるのは、岩ずりである。細かい土砂分が多く、水で洗浄するとほとんどが流れてしまう。大津代表が、奄美から持ってきた岩ずりをテーブルに広げ、「これを洗浄するというのか!」と追求した。
遠藤次長は、「水で洗浄する以外にも他の技術的な方法もある。しかし、それを明らかにすると、やはり公平な入札に支障を来す」などと言ってまともに質問に答えようとしない。「他の技術的方法」などあり得ない。洗浄ができない以上、特定外来生物が見つかった地域からの土砂搬入は止めるほかないのだ。
また、次長は、「県の条例は『届出』であって、『許可』ではない」と強調していたが、県の条例に罰則規定がないことから、県の指示を無視してきちんとした特定外来生物侵入防止策を取ろうとしていないのではないかと疑われる。
(奄美大島の岩ずり。「どうして洗浄するのか!」と追求すると防衛局は回答に窮した。)
(交渉の間中、防衛局前では何人もの人たちがプラカードを掲げ、防衛局に抗議行動をしてくれた)
1時間ほどでこの日の交渉を終えた。今後も運動を強めると同時に、議員さんらにも国会でも追及していただこうと確認した。