12月3日(水)は朝から魂魄の塔へ。「平和をつくり出す宗教者ネット」の方々が、昨日の沖縄県知事への「戦没者の遺骨が混ざった土砂を辺野古埋立に使わせるな!」という要請行動に続いて、今日は現地で合同慰霊式をされるというので参加させてもらった。
魂魄の塔前で簡単な集会をもった後、すぐ近くの熊野鉱山へ。具志堅隆松さんに続いて、私がこの鉱山の、自然公園法、森林法、農地法違反等の問題点について説明。ここでの土砂採取は、戦没者を冒涜するだけではなく、各法令違反や、環境や景観などへの影響など、絶対に許せないと訴えた。
(「遺骨混りの土砂を、戦争のための基地づくりに使ってはならない」と訴える具志堅隆松さん)
熊野鉱山だけではない。すぐ西にも鉱山があり、今日も多くのダンプが行きかっていた(下の写真)。
また、熊野鉱山のすぐ上は各都道府県の慰霊碑等が集中する平和創造の森公園となっている。帰途、東京の塔に確認に行ったが、熊野鉱山の採掘現場はやはり、東京の塔のすぐ後ろまで迫っている。糸満・八重瀬の鉱山は、垂直近くの崖で採掘されているところが多いが、熊野鉱山でもこのまま採掘が進めば、東京の塔や平和創造の森公園の各慰霊碑等への影響も危惧される。
熊野鉱山の場所は自然公園法の「普通地域」(届出)だとしても、「第2種特別地域」(許可)の境界まで掘削するのだから、知事への届出で済ませるのではなく、許可の対象とする必要があるだろう。
(平和創造の森公園の東京の塔)
(東京の塔のすぐ後ろまで熊野鉱山の採掘現場が迫っている。)
また、魂魄の塔のすぐ西には、有川中将自決の壕と慰霊碑がある。沖縄総合事務局の鉱山概況図を見ると、この慰霊碑を囲む形で鉱業権が設定されてしまっている。今回の採掘現場もこの碑から10数メートルのところまで迫っている。
慰霊式後、現在、具志堅さんたちのガマフヤーが遺骨収集を続けておられる糸満市糸洲の現場を案内していただいた。点在するガマや岩の間から、日本兵や母子とみられる遺骨が見つかっているという。一帯には、下あごの骨や大腿骨、そして砲弾の破片や、壺・洗面器等の生活用品等が散乱していた。
このように南部地区ではどこでも戦没者の遺骨が残されている。
宗教者ネットの沖縄県知事への要請項目の一つでもある、「南部戦跡一帯を『聖域慰霊保護区』とし、土砂採取を禁止すること」を早急に実現させる必要がある。
帰途、米須地下ダム観測施設へ。この一帯は、石灰岩地帯に止水壁を造成し、地下に水を溜めて農業用水に利用している。12月の糸満市議会の一般質問でも、市は、鉱山開発による地下の止水壁への影響等を危惧している。