今日(3月27日・月)は朝から名護へ。本部町島ぐるみ会議の北部土木事務所交渉に同席した。
今日の交渉も、北部土木事務所が本部塩川港の入口に2月17日に設置した「警告」看板の問題(詳細は2月22日のブログ参照)が中心となった。
この「警告」看板は、県民が辺野古への土砂海上搬送に抗議し、ダンプトラックの前で牛歩行動を続けていることに対し、「大型車両の往来を妨害する行為等港湾施設の機能を妨げる行為」と決めつけ、「港湾管理条例第3条5号で定める禁止行為に該当する」としている。さらに、「禁止行為を行った場合には、港湾管理条例に基づき過料を処することがある」と脅すというひどいものだ。
県民の辺野古反対運動はもう長く続いているが、県が県民の行動を「条例違反」と決めつけて中止するよう警告したのは初めてだ。防衛局も、この「警告」看板が出されてから、「県も警告しているので止めて下さい!」と声を荒げるようになっている。
「辺野古新基地建設反対が県政の柱」というデニー県政で、このような事態が起こったのは信じられないことだ。今日の交渉でも、2月24日に続いて、この「警告」看板の撤去を強く求めたが、所長は、「私だけで判断できない」として応じなかった。
私たちはこの問題について、3月3日、知事宛の質問書(末尾参照)を提出したが、港湾課は「議会開催中」を理由に今も面談にも応じようとしていない。
他にも今日の交渉では、2月22日、北部土木事務所の職員が抗議行動をする市民らを映像で撮影したこと、北部土木の開示文書でも、本部塩川港での1日のダンプトラック台数が最大時で1659台(県が1台9トンとして計算して公表した数字。実際には8トン程度なので1866台になる)にもなっていること、沖縄タイムスに投稿された意見欄に、本部・名護間の国道の凄まじいダンプ公害を指摘し、「山は削られて赤茶けた荒地が目立つ。山が泣いているし、観光客としては気持ちがしらけてしまう。」とした投稿があった問題等を追求したが、いずれもきちんとした回答はなかったのが残念だ。
(今日の北部土木事務所交渉(Nさん撮影))
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<知事宛要請書全文>
沖縄県知事 玉城デニー様 2023年3月3日
質問・要請書
「塩川ディ実行委員会」共同代表
仲宗根須磨子、上間 一弘
知事は、2023年度の県政運営方針でも、「辺野古新基地を造らせないという公約の実現に向け、全身全霊で取り組む」と強調されました。私たちは、こうした知事の断固とした辺野古新基地反対の姿勢を評価し、強く支持するものです。
ところが辺野古埋立土砂が海上搬送されている本部塩川港に、2月17日、港入口に「本部港港湾管理者 沖縄県」の名で次のような「警告」看板が出されました。
「警告 大型車両の往来を妨害する行為等港湾施設の機能を妨げる行為は、沖縄県港湾管理条例第3条5号で定める禁止行為に該当します。禁止行為を行った場合には、沖縄県港湾管理条例第33条に基づき過料を処することがあります。」
また、同日、北部土木事務所職員が、私たちの共同代表の自宅に事前の連絡もなしに訪れ、「本部塩川港の安全確保並びに円滑な物流について」として、「塩川ディの取組により、非常に危険な状況となり、港湾の円滑な物流が著しく滞った。21日~22日の塩川ディでも同様の取組が予定されているというが、港湾内での作業中における危険な行為は行わないように」という趣旨の文書(以下、「通知文」)を手渡しました。
この「警告」看板と「通知文」は、私たちが懸命の思いで続けている辺野古への土砂海上搬送のダンプトラック前での牛歩行動を、「危険な行為」、「港湾の円滑な物流」を滞らせ、「港湾施設の機能を妨げる行為」であり、県港湾管理条例で定める禁止行為に該当すると決めつけたものです。さらに、このような禁止行為を行った場合は、「同条例の罰則に処することがある」と警告したものです。
まず、「警告」看板の県港湾管理条例第3条5号は、「港湾施設を損傷し、若しくは損傷させるおそれのある行為」も禁止しています。しかし従来から、業者が重機を移動させる際に鉄板での養生を怠ったために、荷さばき地の舗装面に大きな傷がついたり、ダンプトラックの過剰な走行によって港湾道路の舗装に大きな穴が空いたり、街渠板の損傷等が今も相次いでいます。しかし、北部土木事務所長は業者に対して条例違反と注意したことはありません。
また、2月19日付の北部土木事務所長への抗議文でも説明したように、私たちの牛歩行動は決して「危険な行為」ではありません。港湾道路を横断する人がある場合は、まず、警備員がダンプトラックを停止させ、その後横断しているので危険はありません。それにも関わらず、機動隊が導入された場合には私たちは、機動隊員に促されつつ歩いているのですから、機動隊が無理に押さない限り危険などありません。現に今まで牛歩行動によるケガ人は出ていません。
また、本部塩川港では、ブレーキランプが故障したダンプトラックや、車検証不携帯、さらに過積載の疑いのある車両等が問題になっています。私たちのささやかな牛歩行動より、こうした業者の違法車両の方がはるかに危険ですが、私たちの指摘にもかかわらず、北部土木事務所は防衛局に対してこれらの違法車両に対する文書の指示を行っていません。
本部塩川港は、一部、離島向けの利用もありますが、ほとんどは辺野古への土砂海上搬送に使われています。私たちは離島向けのダンプトラックは優先して通行してもらうよう配慮しています。例えば、離島向けダンプが入構してきたときには牛歩を中断し辺野古ダンプとともにその進行を優先させたり、また離島向けダンプが港から出ていくときには、辺野古向けダンプとは違う動線で出ていきますが、防衛局に雇われたテイケイの警備員はわざと離島ダンプの動線に辺野古ダンプを混入させるよう誘導し、現場を混乱させています。そのような場合にも私たちはテイケイならびに防衛局に離島ダンプに負担をかけるような誘導は止めるよう要請しますが、聞く耳を持ちません。さらに北部土木事務所にも、離島向けと辺野古向けの車両の時間調整等を提案していますが、北部土木事務所は検討しようともしていません。
このような現状の中で、私たちの牛歩行動が「港湾の円滑な物流」を滞らせ、「港湾施設の機能を妨げる行為」と決めつけ、条例違反として禁止させようとするのは、辺野古への土砂海上搬送を円滑に進めさせるようにするものに他なりません。
この「警告」看板と「通知文」は、辺野古新基地建設反対を県政の柱とされてきたデニー知事の承諾のもとに出されたものとは思えません。
この問題について、知事自身のお考えをお聞きしたく、下記のとおり質問・要請します。
記
1.今回の「警告」看板、「通知文」は、事前に知事への連絡はあったのでしょうか? 知事の承諾のもとに出されたものでしょうか?
2.知事も、私たちの牛歩行動は、沖縄県港湾管理条例に違反し、罰則規定の対象になる行為であるとお考えでしょうか?
3.昨年11月29日、北部土木事務所長は本部町島ぐるみ会議との意見交換の場で、「牛歩行動は違法と言われるのですか?」という質問に対して、「違法とは言っていません」と明確に答えています。県の牛歩行動についての見解が変わった理由を説明してください。
4.県職員が共同代表の自宅にまで赴き、「通知文」を手渡した行為を謝罪し、二度と行わないよう注意してください。
5.知事は、2021年11月、防衛局の設計変更申請を不承認とした際、「計画変更に関する工事のみならず、全ての埋立工事を中止すべき」というコメントを出されました。それにもかかわらず、県民の辺野古への土砂海上搬送に対するささやかな牛歩行動を、条例違反の禁止行為と決めつけることは納得できません。まず、防衛局に辺野古への土砂海上搬送を中止するよう指導されるべきでないでしょうか?
6.北部土木事務所長に対して、この「警告」看板、「通知文」を撤去・撤回するよう指示してください。