辺野古新基地建設事業では2,100万㎥もの膨大な量の土砂が埋立に使われる。その内訳は、県外から来る岩ズリが1,640万㎥。辺野古ダム周辺、キャンプ・シュワブ陸上部の山土が400万㎥、そして沖縄島周辺で採取した海砂が60万㎥と言われている。
しかし、防衛局が提出した埋立承認願書では、埋立土砂について、無視できない記載がある。そこでは埋立土砂には、前述の岩ズリ、山土、海砂だけではなく、「ダム堆積土砂や浚渫土を含む建設残土、リサイクル材等を優先して使用することとします。」(埋立承認願書2-29)とされているのだ。
この点については、沖縄県の審査の過程では何故か問題にされておらず、県は防衛局に照会もしていない。「優先して使用する」とされている「ダム堆積土砂」「浚渫土」「建設残土」「リサイクル材」とはいったい何なのか、どこから持ち込まれるのか、問題はないのか等について全く検証されていない。
(米軍兵舎解体工事で発生した大量のコンクリート殻は何処へ?)
そこで生まれてくる疑念は、米軍兵舎を解体したコンクリート殻である。今回の新基地建設事業では、シュワブ陸域部の多くの米軍兵舎が飛行場用地となるため、解体される。それにより発生するコンクリート殻の総量は57,000㎥にもなるという。ところが埋立承認願書では、このコンクリート殻は基地の外に搬出せず、全て敷地内で再生路盤材等として再利用するとされている(6-23-30)。
防衛局は、「解体工事に伴い発生したコンクリート塊については、再生路盤材等として、陸上の仮設作業ヤードや仮設道路、建物回りの道路・駐車場や飛行場関連施設等への活用を考えています。」(2015.5.15 防衛局の県への回答)と言うが、防衛局が発注した陸上作業ヤード(40,060㎡)の工事設計書では、確かにコンクリート殻を使用した再生路盤材を敷く部分があるが、わずか634㎥に過ぎない。いったい57,000㎥ものコンクリート殻はどう処理されるのか? 埋立に使われるのではないかという疑念を持つのは当然だろう。
防衛局は、これらの「ダム堆積土砂」「浚渫土」「建設残土」「リサイクル材」等の詳細を明らかにしなければならない。